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そぐわい
兩者の
間には
何等其の
性質を
變化せしむべき
作用の
起るでもなく、
其れは
水が
油を
疎外するのか、
油が
水を
反撥するのか
遂に
溶け
合ふ
機會が
無いのである。
彼等は
平生家族に
交つて、
其老衰の
身がどうしても
自然に
壯者の
間に
疎外されつゝ、
各自は
寧ろ
無意識でありながら
然も
鬱屈して
懶い
月日を
過しつゝある
時に
彼は
僅に三
人の
家族が
油の
如く
水に
彈かれても
疎外されても
只凝結して
居ることにのみ、
假令慰藉されないまでも
不安を
感ずることなしに
其の
日/\と
刻んで
暮して
行くことが
出來るのである。