“じょうせき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
定石51.4%
定跡17.1%
定席11.4%
上席8.6%
繞石5.7%
城跡2.9%
攘斥2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火事息子という言葉もあるくらいで何か騒ぎのあるとき駆けつけるのが、勘当された息子のわびを入れる定石じょうせきになっている時代のことです。
あっしあ加州の御客に聞いておぼえましたがネ、西の人はかんがえがこまかい。それが定跡じょうせきです。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いつも夜店のにぎわ八丁堀北島町はっちょうぼりきたじまちょうの路地には片側に講釈の定席じょうせき、片側には娘義太夫むすめぎだゆうの定席が向合っているので、堂摺連どうするれん手拍子てびょうしは毎夜張扇はりおうぎの響に打交うちまじわる。
と、その肥満漢ひまんかんは手をのばして、隊長に上席じょうせきをすすめた。混じり気のない立派な日本語であった。どうやらこれが船長らしい。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ただ一人此処ここに挙ぐれば、現在は中央文壇から遠ざかっているけれども、大谷繞石じょうせき君がいるだけである。この人は夏目さんの最も好い後継者ではあるまいか。
温情の裕かな夏目さん (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ここに少憩して付近のしょうを探ぐり、はるかに左方春日山かすがやま城跡じょうせきおいで、曠世こうせいの英傑上杉輝虎てるとらの雄図をしのび、夕陽せきよう斜めに北海の怒濤どとうてらすの夕闇に、うしおりの物凄き響きをききつつ
(中略)三先生既に斯文しぶん宗主そうしゅ、後学の師範たり、仏老ぶつろう攘斥じょうせきすというと雖も、必ずまさに理にって至公無私なるべし、すなわち人心服せん。三先生多く仏書をさぐらざるに因ってぶつ底蘊ていおんを知らず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)