-
トップ
>
-
ぐわんが
御利益を
偏へに願ひますと無理な
願掛けをして、
寿命を三
年縮めたので、お
前の
眼が
開いたのは二十一
日目の
満願ぢやアないか、
私は
今朝眼が
覚めてふと
見ると、
四辺が見えないんだよ
最う
目が
見えぬ、
一生の
大難でござりますと、
御新姐樣をお
拜み
申して、
此の二十
里先の
大巖の
不動樣と
申すのへ、お
籠りの
願掛けに
參りたい、と
泣いて
見せて、
最う
其れまでにも
毎々の
何うかして
薄くとも見えるやうにして
上げたいと思つて、
茅場町の
薬師さまへ
願掛けをして、
私は
手探りでも
御飯ぐらゐは
炊けますから、
私の
眼を
潰しても
梅喜さんの
眼を
明けて
下さるやう
はてな……
私の
眼が
潰れたか知らん、
私が見えなければきつと
梅喜さんの
眼が
開いたらう、それとも無理な
願掛けを
為たから
私へ
罰が
中つて
眼が
潰れたのかと思つて、おど/\してゐる
所へ