“きりひら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
切拓25.0%
切開18.8%
伐開12.5%
開墾12.5%
6.3%
斫開6.3%
裂開6.3%
解剖6.3%
鑿開6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幾時いくときの後なりけん、山道切拓きりひらき工事(拳大の石を一つ掘り出すこと)がようやく終ると、木遣きやりの声がする。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
燁子あきこさんにしても、人世の桎梏しっこくの道を切開きりひらいて、血みどろになってこられたかたたちだ、その人の心眼に何がうつったか? ただ、寂しい心情とのみはいいきれないものではなかったろうか。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
庭は跡方あとかたもなく伐開きりひらかれ本堂の横手の墓地も申訳らしくわずか地坪じつぼを残すばかりであった。
「そこなお侍よう、おめえッちら、そんなとこを、せッせと開墾きりひらいても、だめなこったぜよ。いっぺん暴風雨あらしがやって来て見さっせ、百日のかやだがなあ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
坐禅を無上の修行法とする道元は、勢い自らの道を独立にきりひらかなくてはならなかったのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
何しろ真夜半だ。かわやくのに、裏階子うらばしごを下りると、これが、頑丈な事は、巨巌おおいわ斫開きりひらいたようです。下りると、片側に座敷が五つばかり並んで、向うの端だけ客が泊ったらしい。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは爽やかな快活なみどり色で、彼の聯想は白く割れた種子を裂開きりひらいて突出した豆の双葉ふたばの芽を、ありありと思ひ浮べさせた。
ただ一つの方法は、麻肺湯まはいとうを飲んで、仮死せるごとく、昏々と意識も知覚もなくしておいてから、脳袋を解剖きりひらき、風涎ふうぜんの病根を切り除くのでござります。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへ御一新ごいつしんが来、開化のこゑがかういふ山の中にも這入はひつて来るやうになつた。三島みしま県令が赴任するとたうとう小山の中腹を鑿開きりひらいて山形から上山を経て米沢よねざはの方へ通ずる大街道が出来た。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)