切拓きりひら)” の例文
またそこには幅六尺ばかりの水路が縦横に切拓きりひらいており、秋から冬にかけて葦刈りや鴨猟かもりょうの舟が往来した。
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
幾時いくときの後なりけん、山道切拓きりひらき工事(拳大の石を一つ掘り出すこと)がようやく終ると、木遣きやりの声がする。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「何等かの運を自分の手で切拓きりひらくまでは、植源や鶴さんや、以前のすべての知合にも顔を合したくない」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
こけす窟は無論天然のものであったが、幾分か人工を加えてその入口を切拓きりひらいたらしくも見える。奥は真暗でその深さは判らぬ。背後うしろは屏風のような絶壁で、右の方にはおおいなる谷がめぐっていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)