開墾きりひら)” の例文
部落はかなり勾配こうばいの急な山裾やますその、南向きの日当りのい谷間にあった。田というものは一枚もない。あるのは山と、それを開墾きりひらいた畑とだけであった。
「そこなお侍よう、おめえッちら、そんなとこを、せッせと開墾きりひらいても、だめなこったぜよ。いっぺん暴風雨あらしがやって来て見さっせ、百日のかやだがなあ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)