“きがね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気兼94.6%
氣兼5.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
揉むには当らぬ。お前の事は初手しょてからいわば私が酔興すいきょうでこうしてかくまって上げているの故、余計な気兼きがねをせずと安心していなさるがいい。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
暑さに憩うだけだったら、清水にも瓜にも気兼きがねのある、茶店の近所でなくっても、求むれば、別なる松の下蔭もあったろう。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼等かれら障子しやうじ美濃紙みのがみふのにさへ氣兼きがねをしやしまいかとおもはれるほど小六ころくからると、消極的せうきよくてきくらかたをしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もよほまことに驚き入たる御志操おこゝろざしなれども夫よりは貴孃あなた御縹緻ごきりやうなれば御縁の口は何程も有るべし我等かねたのみおきたればまづまち給へと云ふにいな縁付も氣兼きがねが否なれば氣樂きらくに遊女奉公を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しばらくあはせてゐたが、宗助そうすけはついに空腹くうふくだとかして、一寸ちよつとにでもつて、時間じかんばしたらといふ御米およね小六ころくたいする氣兼きがね頓着とんぢやくなく、食事しよくじはじめた。其時そのとき御米およねをつと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)