“かんづ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鑵詰33.3%
感得11.1%
勘付11.1%
勘附11.1%
感付11.1%
疳付11.1%
缶詰11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは鹽燒しほやき、てんぷら、つけ、などになり、鑵詰かんづめにあきた登山者とざんしやにとつてなによりの珍味ちんみです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
しかし、言葉を交して居るうちに、次第に丑松は斯人このひと堅実たしかな、引締つた、どうやら底の知れないところもある性質を感得かんづくやうに成つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
思へば人の知らない悲哀かなしみを胸に湛へて居るのに相違ない。もつとも、自分は偶然なことからして、斯ういふ丑松の秘密を感得かんづいた。しかも其はつい近頃のことで有ると言出した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
(何もかもお里は勘付かんづいてゐる)
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
節子には、着物を失った淋しさの他に、もしの事が母に勘附かんづかれたらどうしようという恐ろしい不安もあった。二、三度、母に対して苦しい言いのがれをした事もあった。
花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)
おもってわたくしはここに懺悔ざんげしますが、四辺あたりかみさんたち見張みはっていないと感付かんづいたときに、わたくしこころきゅうにむらむらとあらぬ方向ほうこうきづられてったことは事実じじつでございます。
彼の口元をちょっとながめた時、私はまた何か出て来るなとすぐ疳付かんづいたのですが、それがはたしてなんの準備なのか、私の予覚はまるでなかったのです。だから驚いたのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
咄喊とっかんはこのよくせきをせんじ詰めて、煮詰めて、缶詰かんづめにした声である。死ぬか生きるか娑婆しゃばか地獄かと云うきわどい針線はりがねの上に立ってぶるいをするとき自然と横膈膜おうかくまくの底からき上がる至誠の声である。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)