“かちゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
家中59.8%
渦中24.5%
華冑3.9%
華胄2.9%
河中2.0%
花中1.0%
花柱1.0%
夥中1.0%
御家中1.0%
果中1.0%
火中1.0%
過中1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それも本当に平静をとりもどしたのは、丹後さまの亡くなった去年からだ、そこをよく考えて、家中かちゅうぜんたいのために堪忍してくれ」
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
今度の大獄に連座れんざした人たちはいずれもその渦中かちゅうに立っていないものはない。その中には、六人の婦人さえまじっている。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何と云っても華冑かちゅうの子弟を縁者に持つと云うことが内心うれしいに違いないので、もしこの話を貞之助が破談にして帰ったりすれば、落胆の程度は思いやられるのであった。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
わが国の『六国史』は帝家の旧記にして、華胄かちゅうの旧記、諸記録は主としてその家々のことに係る。広く一国民の生い立ちを明らめんには、必ず民俗学の講究を要す。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
河中かちゅうの温泉 一月十二日朝五時出立、荷持ちに荷物を持たして東南の山間の溪流に沿うて登りました。その辺は一体に雪が氷になってどうかするとすべり込みそうで余程注意しないと危ない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
花中かちゅう多雄蕊たゆうずいと、細毛さいもうある二ないし五個の子房しぼうとがあり、子房は花後にかわいた果実となり、のちけて大きな種子があらわれる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
この種名の Tazetta はイタリア名の小皿こざらの意で、すなわちその花中かちゅう黄色花冕おうしょくかべんを小皿に見立てたものである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
その時、前の花から頭へつけて来た花粉を今度の花の花柱かちゅう、それはちょうど昆虫の頭のところへ出て来ている花柱の末端まったん柱頭ちゅうとうへつける。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
雌蕊しずいは一本で、緑色の子房しぼうとほとんど同長な花柱かちゅうが上に立っており、そのいただき花頭かとうがあって花粉を受けている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
夥中かちゅう最も第一の美妓しきりに誘えど、〈我邪念なし、往返徒労なり〉とうそぶいたとは、南方先生の前身でもあったものか、自宅によほどよいのがあったと見える。
細貝家は七百石の中老ながら、御家中かちゅうでは由緒ある家柄だという。正直なところそれにも心をかれたが、なにより薙町の家を出たかった。
やぶからし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
もし万一ミカンの実の中に毛がえなかったならば、ミカンはえぬ果実としてだれもそれを一顧いっこもしなかったであろうが、さいわいにも果中かちゅうに毛がえたばっかりに
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
その結果が世界をあのような戦乱の過中かちゅうに巻き込んだのではないかという気がする。ともかくもこれにもやはり手首の問題が関係していると言ってもよい。
「手首」の問題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)