“うちじゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
家中83.8%
宅中6.8%
全家2.7%
内中2.7%
家内中1.4%
屋中1.4%
楼中1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家中うちじゅうのものが、そのために不自由をする。あたしゃ、お前さんが気の毒だから、万一の粗相そそうがないように、そういってあげたまでだ。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
それに宅中うちじゅう陰気でね、明けておくと往来から奥のまで見透みとおしだし、ここいら場末だもんだから、いや、あすこの宅はどうしたの、こうしたのと、近所中で眼を着けて
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
魔子は毎日遊びに来たから全家うちじゅう馴染なじみになり、姿を見せない日はほとんどなかったから、大杉や野枝とは余り顔を合わせないでも一家の親しみは前よりは深かった。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そこで夫人は内中うちじゅう雇人やといにんを客間に呼び集めた。何となく物々しい光景だった。五人の男女が入口のドアの前に目白押しに並んで、もじもじしていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
昨夜ゆうべ娘のお梅が家出をいたした切りかいくれ行方が解りませぬから、家内中うちじゅうの心配大方ならず、おみくじを取るやら、卜筮うらないてもらうやら、大変な騒ぎをして居る処へ、不忍弁天の池に
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
弥陀みだ白光びゃっこうとも思って、貴女を一目と、云うのですから、逢ってさえ下されば、それこそ、あの、屋中うちじゅう真黒まっくろに下ったすすも、藤の花に咲かわって、その紫の雲の中に
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
近いところが此楼こゝにいたあの綾衣あやぎぬがいゝお手本だよ、あんな夢中になってはつさんのところへき、惚れた同士だから中好なかよく毎日暮すだろうと、楼中うちじゅううらやみものだッたは知っているだろう