内中うちじゅう)” の例文
わかくて屈竟くっきょうなその客は、身震いして、すっくと立って、内中うちじゅうで止めるのもかないで、タン、ド、ドン! とその、其処のしとみを開けた。——
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで夫人は内中うちじゅう雇人やといにんを客間に呼び集めた。何となく物々しい光景だった。五人の男女が入口のドアの前に目白押しに並んで、もじもじしていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
雨宿りに駈込かけこんだ知合の男が一人と、内中うちじゅう、この店に居すくまった。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)