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かたはゞ
眼は
小さく、
鼻は
赤く、
肩幅廣く、
脊高く、
手足が
圖※けて
大きい、
其手で
捉まへられやうものなら
呼吸も
止まりさうな。
年は
十六なれども
不圖見る
處は
一か
二か、
肩幅せばく
顏少さく、
目鼻だちはきり/\と
利口らしけれどいかにも
脊の
矮ければ
人嘲りて
仇名はつけゝる、
御免なさい、と
火鉢の
傍へづか/\と
行けば
常には
左のみに
心も
留まらざりし
結城の
風采の
今宵は
何となく
尋常ならず
思はれて、
肩巾のありて
背のいかにも
高き
處より、
落ついて
物をいふ
重やかなる
口振り