人々ひとびと)” の例文
世間せけん人々ひとびとは、このうわさをみみにするとおおさわぎでありました。そこにもここにも、あつまって金色こんじきうおはなしをしたのであります。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
でもこれがもしほんとうだったとすれば、はなのきむら人々ひとびとがみなこころ人々ひとびとだったので、地蔵じぞうさんが盗人ぬすびとからすくってくれたのです。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
『ええ只今ただいま足下そっか御関係ごかんけいのある事柄ことがらで、申上もうしあげたいとおもうのですが。』と、市役所員しやくしょいん居並いなら人々ひとびと挨拶あいさつむとこうした。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
人々ひとびと御主おんあるじよ、われをもたすたまへ。」此世このよ御扶おんたすけ蒼白あをじろいこのわが罪業ざいごふあがなたまはなかつた。わが甦生よみがへりまでわすれられてゐる。
これらのほんは、どれもやさしくていねいに、だれにでもわかるようにかかれていたので、ひっぱりだこで、人々ひとびとによまれました。
白刃しらはえたような稲妻いなづま断間たえまなく雲間あいだひらめき、それにつれてどっとりしきる大粒おおつぶあめは、さながらつぶてのように人々ひとびとおもてちました。
(ハ)精神せいしん保養ほよう。 しかし、ずっと最近さいきんでは、森林しんりん利用りようを、もっとすゝめて、直接ちよくせつ人々ひとびと健康けんこうのために應用おうようすることをかんがへつきました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
けつしてこゝろよく解決かいけつされるはずでないことをつて人々ひとびといくおろかでもみづかこのんで難局なんきよくあたらうとはしないのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
人々ひとびとこころせよ、それはなんじらを衆議所しゅうぎしょわたし、会堂かいどうにてむちうたん。また汝等なんじらわがゆえによりて、つかさたちおうたちのまえかれん。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
世界中せかいじゅう人々ひとびとがみなおたがいあいしあい、そして力強ちからづよきてゆくこと、それがかれ理想りそうであり、そしてかれはいつも平和へいわ自由じゆう民衆みんしゅうとの味方みかたであります。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
そこで王子おうじは、ラプンツェルをれて、くにかえりましたが、くに人々ひとびとは、大変たいへん歓喜よろこびで、この二人ふたりむかえました。その二人ふたりは、ながあいだむつまじく、幸福こうふくに、くらしました。
おそろしかった一夜ひとよけて、翌朝よくあさになりました。しかし、なかなか、六部ろくぶいぬかえってませんでした。むすめのふたおや心配しんぱいして、むら人々ひとびと相談そうだんして、様子ようすに山へがっていきました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
その度毎たびごとに、おせんのくびよこられて、あったらたま輿こしりそこねるかと人々ひとびとしがらせて腑甲斐ふがいなさ、しかもむねめた菊之丞きくのじょうへのせつなるおもいを、ひととては一人ひとりもなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
そを見ると見下みおろせる人々ひとびとみしおもても。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
りゆく人々ひとびと
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しま人々ひとびとが、どちらに太陽たいようてゆくときは、どの方向ほうこうへゆくということをおしえてくれたので、それをただ一つのたよりとしました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはかくも神経質しんけいしつで、その議論ぎろん過激かげきであったが、まち人々ひとびとはそれにもかかわらずかれあいして、ワアニア、と愛嬌あいきょうもっんでいた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いままでお菓子かしにつかったおかねを、これからは使つかわずにためておいて、しんたのむねのしたに、人々ひとびとのための井戸いどろうというのでありました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
馬車ばしゃにのせて、りっぱなホテルにあんないし、まちのおもだった人々ひとびとが、あとからあとからとおしかけて、したにもおかないもてなしぶりでした。
村落むら人々ひとびと好奇心かうきしんられてづ/\も棺臺くわんだいをそつとげてた。へび依然いぜんとしてだらりとよこたはつたまゝであつた。人々ひとびとみはつた見合みあはせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
西北せいほくそらからどっとせる疾風はやてふねはグルリときをかえ、人々ひとびとたきなす飛沫しぶきを一ぱいにびました。
人々ひとびと御主おんあるじよ、われをもつみくなしたまへ、この癩病らいびやうものを。」あゝさむしい、あゝ、こはい。だけに、生来しやうらいしろいろのこつてゐる。けものこはがつてちかづかず、わがたましひげたがつてゐる。
座元ざもとをはじめ、あらゆる芝居道しばいどう人達ひとたちはいうまでもなく、贔屓ひいき人々ひとびと出入でいりのたれかれと、百をえる人数にんずうは、仕切しきりなしにせて、さしも豪奢ごうしゃほこ住居すまいところせまきまでの混雑こんざつていたが
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
なにゆゑに人々ひとびとの笑ひしか。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
心契しんけい人々ひとびと
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まちなかとお人々ひとびとも、両側りょうがわみせもだいぶわったけれど、やはり、銀行ぎんこうは、そこにあり、そして、こうがわにたばこがありました。
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのみずかかんじた不愉快ふゆかいのこと、おろか人々ひとびと自分じぶん狂人視きょうじんししているこんなまちから、すこしでもたらば、ともおもうのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
椿つばきかげに清水しみずはいまもこんこんとき、みちにつかれた人々ひとびとは、のどをうるおして元気げんきをとりもどし、またみちをすすんでくのであります。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
しかし、それらの人々ひとびとなかにも、これをよんでいくうちに、諭吉ゆきちのかたよらないかんがえかたや、ただしい意見いけん感心かんしんしてくるものもでてきました。
假令たとひ他人たにんためにはかなしいでもの一じつだけは自己じこ生活せいくわつからはなれて若干じやくかん人々ひとびとと一しよ集合しふがふすることが彼等かれらにはむし愉快ゆくわいな一にちでなければならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これはたいへんである。三浦みうら自分じぶんにとりてってもれぬふか因縁いんねん土地とち、このまま土地とち人々ひとびと見殺みごろしにはできない。ことにあそこには良人おっとをはじめ、三浦みうらぞくはかもあること……。
隣座敷となりざしきから、にわか人々ひとびと気配けはいがした。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
草分くさわけ人々ひとびと
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やあ、こんなはながここにいているのはめずらしい。このとこなつは、たかやまにあるとこなつです。」と、ほかの人々ひとびとかえりみていった。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じぶんがとおると、人々ひとびとはそらへんなやつがたといわんばかりに、まどをしめたり、すだれをおろしたりしました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
忘驚ぼうきょう人々ひとびと
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうかといって、人々ひとびとが、おじいさん、おじいさんとはなしかけてこようものなら、それは、むずかしいかおをしてうるさがりました。
ものぐさじじいの来世 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうならば、また、むらというものは、こころのよい人々ひとびとまねばならぬということにもなるのであります。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
むらに、なんの職業しょくぎょうということもきまらずに、おくっているりこうものがありました。むら人々ひとびとは、そのひとをりこうものといっていました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、いって、おかあさんは、あのみちあつ日盛ひざかりにとお人々ひとびとをかぞえあげました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
途中とちゅうそのうま人々ひとびとは、みんなおどろいて、口々くちぐちに、うまをかわいそうだといい、また、よくはたらく、つようまだといってほめたのであります。
駄馬と百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
清吉せいきちは、じっさいについて、これをろうと、すこしはなれた電柱でんちゅうのところにって、往来おうらい人々ひとびとのようすを見守みまもったのでありました。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひかりがかげって、天気てんきわりそうになったので、そばにっている人々ひとびとは、しだいにすくなく、みんなあちらにいってしまいました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まだ、乞食こじきというものを経験けいけんしたことのないかれは、どこへいって、どうしてらぬ人々ひとびとからぜにをもらったらいいだろうかとおもいました。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、さあ、たくさんありますから、みんなめしあがってください。」と夜警やけい人々ひとびとはいって、ぼんってきてしました。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おひめさまは、昨夜さくやうみなかしずんでしまわれたのだもの。いくらさがしたってつかるはずがない。」と、人々ひとびとおもっていました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとしは、りんごにむしがつかずよくみのって、予想よそうしたよりも、おおくの収穫しゅうかくがあったのであります。むら人々ひとびとは、たがいにかたらいました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
家来けらいにも、そればかりは、わかりませんでしたから、かたわらの人々ひとびときますと、やはり、だれもっているものがありません。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
うつくしい、三つの人形にんぎょうが、はじめて、このにぎやかなまちみせさきにかざられたとき、とお人々ひとびとは、おとこも、おんなもみんないてゆきました。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人々ひとびとは、このあねおとうとが、毎日まいにちどこから、ここにやってきて、こうしてうたをうたい、ふえいておかねをもらっているのかりませんでした。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)