“若干”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じゃっかん21.4%
なにがし20.2%
いくら13.1%
そこばく11.9%
いくらか9.5%
そくばく8.3%
じやくかん8.3%
いくばく4.8%
すこしばかり1.2%
どれほど1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
部屋は洗面台と数冊の書籍とをそなえた飾り気のない小さいへやである。壁にかけられた若干じゃっかんの絵のほかには、ほとんど何の装飾もない。
こう云いながら若干なにがしかのお金を、おきたの前へ差し出して、自分の方が嬉しそうに、三十郎が笑ったのは、数日後のことであった。
一枚絵の女 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大天井だいてんじょうだけを越えてからは若干いくらか道は平易ゆるくなったがやがて槍ヶ岳へかかると共ににわかに一層険しくなり、女子供は行き悩んだが
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
然れども本年は最初たるを以て、樽川の収入にて若干そこばくの予定を※ずるを補わんが為めにて、决して焦眉の急を防ぐの為めにはあらざるなり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
「ええええ帰って来ましたとも。この通り帰って来ましたよ」私は彼女の情熱に若干いくらか圧倒されながら、情愛を籠めてう云った。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それに応じないと見ると急に居丈高になって私から金を出させようと恐喝したり、あるいは自分の窮状を並べ立てて若干そくばくの無心をしたりする。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼等かれらのやうなひく階級かいきふあひだでも相互さうご交誼かうぎすこしでもやぶらないやうにするのには、其處そこにはかならそれたいして金錢きんせん若干じやくかん犧牲ぎせいきようされねばならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
暁方あけがた近くになっておびただしい流星があり、そのうちの若干いくばくかはたしかに地上まで達したのを見届けたのだから、三日と八日の件は、隕石の仕業だと確信しておったのだ。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
人影はなくて肉の砕片が真紅に船底を濡らしている。そしてそこには一本の櫂と一挺の短銃と若干すこしばかりの弾丸と万年筆と手帳とが血に穢れて散らばっている。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「はあ、さうしてたか若干どれほどなのですか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)