“暁方”のいろいろな読み方と例文
旧字:曉方
読み方割合
あけがた96.2%
あけかた1.9%
あかつきがた1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
西村電機商会主西村陽吉が変死を遂げてから二日目の朝、暁方あけがたからどんよりと曇っていた空は十時ごろになると粉雪をちらちら降らしはじめた。
五階の窓:04 合作の四 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
テントの外に立つ歩哨ほしょうは一時間交代で、私の番は暁方あけがたの四時から五時までだったから、それまでゆっくり睡眠がとれるわけだった。
虎狩 (新字新仮名) / 中島敦(著)
暁方あけがた近くなって、お絹をはじめ踊りに出た連中が帰って見た時分には、土蔵も、本宅も、物置のたぐいも、すっかり焼け落ちていました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
家が広いので、奥へは主人の平太夫、お勝手の側の居間にはお琴が一人、ガラッ八は店を直して格子をはめた表の部屋に宵から暁方あけかたまでもぐり込むことになったのです。
さうして、暁方あけかたやつと三人は赤い眼をして土蔵から出て来た。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
今朝早く、まだ空に星がチカ/\残つてゐた暁方あけかたのこと、母が宵から支度してあつた男の着物一切を——シヤツから褌から、じゆばん、角帯、羽織、帽子、足袋、下駄、手拭、鼻紙にいたるまで、何から何まで揃へて、丸で裸体はだかの人でも引取りに行くやうに
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
顔を洗ふべく、静かに井戸にちかづいた自分は、敢てかしましき吊車の音に、この暁方あかつきがたの神々しい静寂しづけさを破る必要がなかつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
三股みつまた高尾稲荷たかおいなりの鳥居を彼方かなたに見捨て、暁方あかつきがたの雲の帯なくかなかずの時鳥ほととぎす
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)