“あけがた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
暁方54.6%
明方17.9%
曉方13.8%
払暁5.6%
1.5%
未明1.0%
翌方1.0%
黎明1.0%
拂曉0.5%
佛曉0.5%
天明0.5%
払曉0.5%
昧爽0.5%
暁天0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暁方あけがたの眠りを覚す暁の驟雨しゅううは何だか木の葉を吹き散す嵐の様に思われたりするので、何だか物淋しく、その音に聴き入るのである。
現代語訳 方丈記 (新字新仮名) / 鴨長明(著)
【朝の時】l'ora mattutina 曉の前、明方あけがた近き夜の時をいふ。殘りの闇曉に追はれて逃げゆき、海のさゞ波みゆるなり
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
今朝も曉方あけがたに歸つて來て、物置の梯子はしごから屋根へ飛付き、格子を外してそつと入つた事を話して了つた方が宜くはありませんか
もつともこの幻影まぼろしは長く後まで残らなかつた。払暁あけがたになると最早もう忘れて了つて、何の夢を見たかも覚えて居ない位であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
すると熱い涙が流れ出して、自分で自分を思いやって泣きました。髪は濡れ、枕紙も湿りましたのです。思いつかれるばかりで、ついあけがたまで目も合いません。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
見送りも致さゞる趣むき是又御檢使の場にて申上再應御調べの節も同じ樣に申立長庵へは御とがめもなく相濟あひすみたる所此間忠兵衞不※ふと私し方へ參り申聞せ候には寶永七年八月廿八日未明あけがたに麹町平川天神の裏門うらもん前にて忠兵衞參詣さんけいの歸りがけ村井長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さあ、捜す、となると、五人の天窓あたま燭台しょくだいが一ツです。ろうの継ぎ足しはあるにして、一時いっときに燃すと翌方あけがたまでの便たよりがないので、手分けをするわけにはきません。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黎明あけがたに兵站部の軍医が来た。けれどその一時間前に、渠は既に死んでいた。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
つち徹宵よつぴてさういふ作用さよういとなんだばかりに、拂曉あけがたそらからよこにさうしてなゝめしもかして、西風にしかぜたゞちにそれをかわかして残酷ざんこく表土へうどほこり空中くうちうくる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
拂曉あけがたからそらあまりにからりとしてにぶやはらかなひかりたなかつた。毎日まいにちくる疾風しつぷうとほ西山せいざん氷雪ひようせつふくんで微細びさい地上ちじやうおほうて撒布さんぷしたかとおもふやうにしもしろつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「へえ」勘次かんじ佛曉あけがたのことをどうしてか内儀かみさんがまだらぬらしいのでほつといきをついたがまた自分じぶんからぢて、簡單かんたん瞹昧あいまいういつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
町から一里も行くとかの字港に出る、そこから船でつの字崎の浦まで海上五里、のうちに乗って、天明あけがたにさの字浦に着く、それから鹿狩りを初めるというのが手順であった。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
なか/\にめでたき払曉あけがたのおもむきを味はひて、歌もがななんど思ひつゝ例の長き堤を辿る。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
昧爽あけがたのこの山上に われ嘗て立ちしことあり
艸千里 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
そうして、その花は男の胸から女の髪へ差し換えられる筈だ。そうしてその花は暁天あけがたには、二人の交わせた枕の間へ、物憂くしぼんで落ちている筈だ
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とぐべしと存ずるなり何とていつはりを申べきと問答の中にはやあけがたちかくなりければ安五郎はいそ立去たちさらんとしけるをお粂はまづまたれよと引とめる故安五郎は面倒めんだうなりと突飛つきとばすを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)