“収穫”のいろいろな読み方と例文
旧字:收穫
読み方割合
とりいれ51.4%
しゅうかく25.7%
とりい8.6%
みいり5.7%
みのり2.9%
かりいれ1.4%
とり1.4%
とる1.4%
とれ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
収穫とりいれといえば、すぐに晩秋の野における農夫の労働生活が思われる。これは激しい汗みずくな、しかしまた楽みにも充ちたものである。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
九月は農家の祭月まつりづき、大事な交際季節シーズンである。風の心配も兎やらうやら通り越して、先収穫しゅうかくの見込がつくと、何処どこの村でも祭をやる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
音吉が百足の頭部を、そしてわたしが尾端を恭しくさゝげ霜柱を踏みながら、収穫とりいれの済んでゐる芋畑の丘に登つた。
山峡の凧 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
それにしても収穫みいりの悪いのに慣れている彼の金の使いぶりは、神経的に吝々けちけちしたもので、計算に暗いだけになお吝嗇しみったれていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
今に屹度きっと、松埃がかかって収穫みのりが悪いがら、小作米を負けてくれとか、納められねえどか、屹度はあ小作争議のようごとを出かすに相違ねえ野郎共だから。
黒い地帯 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
も共に抜かん。ふたつながら収穫かりいれまで育つに任せよ。収穫のときわれ刈る者にまず毒麦を抜きあつめて、焚くために之を束ね、麦は集めて我が倉にいれよ
いつたい一町歩からそくにしてどの位お収穫とりになりますか、ひとつ承はり度う存じますが。
……百姓達はまだ、あの田から、まだこの秋にならなければ、ほんとの米を収穫とることは出来ないのだ。祭りをしても、それは随分苦しい中の才覚だろう。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
恐らく殿様も、おいかりはなされまい。——心配せんでいい。この秋には、新田から少なくも一万石の米が収穫とれるだろう。年ごとにもっと収穫とれてゆくぞ。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)