“畦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あぜ84.7%
うね9.3%
くろ3.4%
ウネ1.7%
けい0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
掛稲かけいね、嫁菜の、あぜに倒れて、この五尺の松にすがって立った、山代の小春を、近江屋へ連戻った事は、すぐにうなずかれよう。芸妓げいしゃである。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしその麦畑の隅の、土手の築いてある側へ来ると、金三は急に良平の方へ笑い顔を振り向けながら、足もとのうねして見せた。
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
拝田村の村と、村の田のくろと、畑のあぜとを走る幼い時の自分の姿が、まざまざと眼の前に現われて来ました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかも、とんぼう髷を頂に据ゑた祖父ヂヾ曾祖父ヒヂヾの代まで、萌えては朽ち、絶えてはひこばえして、思へば、長い年月を、民族の心の波のウネりに連れて、起伏して来た感情ではある。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天下の羣小ぐんしょうさしまねいで、いたずらにタイモンのいきどおりを招くよりは、らんを九えんき、けいを百けいえて、ひとりそのうち起臥きがする方が遥かに得策である。余は公平と云い無私むしと云う。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)