トップ
>
黄表紙
>
きびょうし
ふりがな文庫
“
黄表紙
(
きびょうし
)” の例文
第二篇は歌麿の制作を分類して肉筆及
黄表紙
(
きびょうし
)
絵本類の
板下
(
はんした
)
並
(
ならび
)
に錦絵
摺物
(
すりもの
)
秘戯画等となし、
各品
(
かくひん
)
につき精細にその画様と色彩とを説明せり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その頃はもう
黄表紙
(
きびょうし
)
時代と変って同じ
戯作
(
げさく
)
の筆を執っていても自作に漢文の序文を書き漢詩の像讃をした見識であったから
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
読みさしの
黄表紙
(
きびょうし
)
を伏せると、勘弁勘次は突っかかるようにこう言って、開けっ放した海老床の
腰高
(
こしだか
)
越しに
戸外
(
そと
)
を覗いた。
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
京伝
(
きょうでん
)
の
黄表紙
(
きびょうし
)
に子供の
唄
(
うた
)
として「正月がござつた。かんだまでござつた。ゆづりはにこしをかけて、ゆづり/\ござつた」
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
抽斎の好んで読んだ小説は、
赤本
(
あかほん
)
、
菎蒻本
(
こんにゃくぼん
)
、
黄表紙
(
きびょうし
)
の
類
(
るい
)
であった。
想
(
おも
)
うにその自ら作った『
呂后千夫
(
りょこうせんふ
)
』は黄表紙の
体
(
たい
)
に
倣
(
なら
)
ったものであっただろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
古きは『
今昔
(
こんじゃく
)
物語』、『
宇治拾遺
(
うじしゅうい
)
』などより、天明ぶりの
黄表紙
(
きびょうし
)
類など、種々思ひ出して、立案の助けとなせしが。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
天明は狂歌盛んに行はれ、
黄表紙
(
きびょうし
)
漸く
勢
(
いきおい
)
を得たる時なり。されど俳句とは直接に関係する所なし。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
それは十二三冊の小さな
黄表紙
(
きびょうし
)
の
唐本
(
とうほん
)
で、明治四十年
比
(
ごろ
)
、私は一度浅草の和本屋で手に入れたが、下宿をうろついている間に無くしたので、この四五年欲しいと思っていた。
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
だが、弟子入りはないとみえて、露八は、
筆耕
(
ひっこう
)
仕事をしたり、
黄表紙
(
きびょうし
)
ものの
戯作
(
げさく
)
などを書いていた。飽きると、ぽかんと、指の筆を
頬杖
(
ほおづえ
)
にやり、窓の机から今戸橋をながめている。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
レオパルジの隣にあった
黄表紙
(
きびょうし
)
の日記を持って煖炉の前まで戻って来た。親指を抑えにして小口を雨のように飛ばして見ると、黒い
印気
(
インキ
)
と
鼠
(
ねずみ
)
の鉛筆が、ちら、ちら、ちらと黄色い表紙まで来て留った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
諷刺
(
ふうし
)
滑稽
(
こっけい
)
の
黄表紙
(
きびょうし
)
はその本領たる
機智
(
きち
)
の妙を捨てて
漸
(
ようや
)
く
敵討
(
かたきうち
)
小説に移らんとし、
蒟蒻本
(
こんにゃくぼん
)
の軽妙なる写実的小品は漸く順序立ちたる人情本に変ぜんとするの時なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
少くも貧乏な
好事家
(
こうずか
)
に
珍重
(
ちんちょう
)
されるだけで、
精々
(
せいぜい
)
が
黄表紙
(
きびょうし
)
並に扱われる位なもんだろう。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
“黄表紙”の解説
黄表紙(きびょうし)は、恋川春町『金々先生栄花夢』(1775年刊行)から式亭三馬『雷太郎強悪物語』(1806年)までの草双紙の総称である。知的でナンセンスな笑いと、当時の現実世界を踏まえた写実性が特徴である。
(出典:Wikipedia)
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
表
常用漢字
小3
部首:⾐
8画
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“黄表紙”で始まる語句
黄表紙御法度