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鹿子
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かのこ
ふりがな文庫
“
鹿子
(
かのこ
)” の例文
矧
(
いはん
)
や彼人は物に
怯
(
おそ
)
るゝこと
鹿子
(
かのこ
)
の如く、同じ席に
列
(
つらな
)
るものもたやすく近づくこと能はざるを奈何せん。われは必ずしもかの人心より此の如しと説かず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
黒ずんだが
鬱金
(
うこん
)
の裏の附いた、はぎ/\の、
之
(
これ
)
はまた美しい、
褪
(
あ
)
せては居るが色々、
浅葱
(
あさぎ
)
の
麻
(
あさ
)
の葉、
鹿子
(
かのこ
)
の
緋
(
ひ
)
、国の
習
(
ならい
)
で百軒から
切
(
きれ
)
一
(
ひと
)
ツづゝ集めて
継
(
つ
)
ぎ合す
処
(
ところ
)
がある、其のちやん/\を着て
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
水色かった振り袖を着、
鹿子
(
かのこ
)
をかけた島田髷へ、ピラピラの
簪
(
かんざし
)
をさしている。色が白くて血色がよくて、
眼醒
(
めざ
)
めるばかりに
縹緻
(
きりょう
)
がよい。古い
形容
(
いいぐさ
)
だが鈴のような眼つき、それがきわめて
仇
(
あだ
)
っぽい。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それ以外の
鹿子
(
かのこ
)
色をした皮膚は、ドス黒くこびりついた、血に
塗
(
まみ
)
れていて、ことに半面のほうは、逃げようと悶えながら、岩壁に摺りつけたせいか、繊維の中にまで泥が浸み込み、絶えず
脂
(
あぶら
)
とも
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
耳朶
(
みみたぶ
)
の
中白
(
なかじろ
)
の
鹿子
(
かのこ
)
雫して朝見あげゐる山茶花の霧
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
「中坂下からいらっしゃいます、紫
鹿子
(
かのこ
)
のふっさりした、
結綿
(
ゆいわた
)
のお娘ご、召した黄八丈なぞ、それがようお似合いなさいます。それで、お
袴
(
はかま
)
で、すぐお茶の水の学生さんなんでございますって。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鹿子
(
かのこ
)
まだらの
花瓣
(
はなびら
)
は裂けてしづかに傾きぬ。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
銘仙縞
(
めいせんじま
)
の羽織を、なよなよとある肩に細く着て、同じ縞物の膝を薄く、無地ほどに細い縞の、これだけはお召らしいが、
透切
(
すきぎ
)
れのした
前垂
(
まえだれ
)
を
〆
(
し
)
めて、昼夜帯の胸ばかり、
浅葱
(
あさぎ
)
の
鹿子
(
かのこ
)
の
下〆
(
したじめ
)
なりに
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おもしろ狸のきぬた巻でも、あんころ
餅
(
もち
)
でも、
鹿子
(
かのこ
)
餅でも、何でもございじゃ、はい、何でもござい、人気おこし、お菓子はよしか。小六さん、小親さん、小六さんの人気おこし、おこしはよしか。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
藍、浅葱、
朱鷺色
(
ときいろ
)
と、
鹿子
(
かのこ
)
と、
絞
(
しぼり
)
と、紫の
匹田
(
ひった
)
と、ありたけの
扱帯
(
しごき
)
、腰紐を一つなぎに、夜の虹が化けたように、
婦
(
おんな
)
の
乳
(
ち
)
の下から腰に
絡
(
まつ
)
わり、裾に
搦
(
から
)
んで。……下に膝をついた私の肩に流れました。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鹿
常用漢字
小4
部首:⿅
11画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“鹿子”で始まる語句
鹿子絞
鹿子木孟郎
鹿子斑
鹿子切
鹿子木
鹿子色
鹿子菜
鹿子餅