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鷄屋
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とりや
二
代目の
時代の
鷄屋の
番人に
好い
老人が
居て、いろ/\
世話をして
茶など
入れて
呉れて
居たが、
其老人間もなく
死んだので、
何んとなく
余は
寂寞を
感じたのであつた。
それから三
代目四
代目とは、
無關係で、
構内へは一
歩も
足を
踏入れなかつたが、
到頭その
鷄屋は
亡びて
了つたので、これを
幸ひと
佛骨子をかたらひ、
又少し
掘つて
見た。
これだけ
荒した
權現臺は、
其後幾變遷して、
以前の
樣は
既う
見られぬ。四十一
年の
夏行つて
見ると、
彼の
鷄屋さへ
失くなつて
了つて
居る。
幻花子は
鷄屋の
出來ぬ
前から
知つて
居るのだ。