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驥足
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きそく
ふりがな文庫
“
驥足
(
きそく
)” の例文
金万
(
かねまん
)
の若旦那実は敏腕家だけれど、差当り親父が頑張っているから、
驥足
(
きそく
)
を
展
(
のば
)
すことが出来ない。猫のようになって、爪を
匿
(
かく
)
している。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そうして長年の留守に
蓄
(
たくわ
)
えておいてくれた物が、兵糧倉、武器倉に、国守るほどはあって、他日の
驥足
(
きそく
)
をのばすことが出来たのだった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人民にしていかにその
驥足
(
きそく
)
を伸ばさんとするもあにそれ得べけんや。ゆえに政府のほかに力を致すの余地は
寸毫
(
すんごう
)
も存せざるなり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
呪ふべきは、一方が一時失脚して、他方が其間に
驥足
(
きそく
)
をのばしたことである。競争相手を仆すと言ふことは、競争の真意義にもとるものである。
市村羽左衛門論
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
これから外に向って、十二分の
驥足
(
きそく
)
をのばすことができるのだから、秀吉にとって、この北の庄の攻略と、柴田の滅亡は、天下取りの収穫なのだ。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
牛飼君は士を
待
(
たい
)
するの道を知りおる。殊に今度の次の内閣には国務大臣にならるゝ筈ぢやから牛飼君の
客
(
かく
)
となるは将に大いに
驥足
(
きそく
)
を伸ぶべき道ぢや。
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「黒八、十とこれでよろしい。十四までの別れ申し分なしと。白を一
隅
(
ぐう
)
へ
屏息
(
へいそく
)
せしめ、外に向かって
驥足
(
きそく
)
を伸ばす。この作戦われながらよいて。……」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
此争ひの為めに主人公知らず/\自然の法則に背反することもあるべし。国家の秩序に抵触することもあるべし。
蹉跌
(
さてつ
)
苦吟自己の
驥足
(
きそく
)
を伸ばし
能
(
あた
)
はざることもあるべし。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
幸い今は列国が欧州の広野に
鎬
(
しのぎ
)
を削っている。支那が十分に覚醒して、十分に信頼し、国家的基礎を固むるには絶好の機会である。支那が日本に
驥足
(
きそく
)
を
展
(
の
)
ばすのは、今日を
措
(
お
)
いて他にない。
日支親善策如何:――我輩の日支親善論
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
日本には、戦争の時には、ちっとも役に立たなくても、平和になると、のびのびと
驥足
(
きそく
)
をのばし、美しい平和の歌を歌い上げる作家も、いるのだということを、お忘れにならないようにして下さい。
三月三十日
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
松久三十郎は人も知る春陽会の
驥足
(
きそく
)
である。
生霊
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
なんとなればたといこれらの人々にしてみずから民間に足をとどめんとするも、決してその
驥足
(
きそく
)
を伸ばすの余地は存せざるなり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
尾張に起って、西へ西へと、その
驥足
(
きそく
)
を伸ばして来た信長は、まったく、ことし四十九の今日まで、富士山を見ていなかった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その時が日本の
驥足
(
きそく
)
を伸ぶべき時、自分が一世一代の飛躍を試むべき時だ」と
畑水練
(
はたけすいれん
)
の
気焔
(
きえん
)
を良く挙げたもんだ。
二葉亭追録
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
壮年の頃江戸へ出て、根岸お
行
(
ぎょう
)
の松へ道場を構え、大いに
驥足
(
きそく
)
を
展
(
の
)
ばそうとしたが、この人にしてこの
病
(
やま
)
いあり、女は好き酒は結構、勝負事は大好物、取れた弟子も離れてしまい
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
南北いずれへも
驥足
(
きそく
)
を伸ばすことができないように考えられますが……しかしです……唯ここにまだ両者の勢力のいずれにも属していない所があります。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでももしいよいよその方面に
驥足
(
きそく
)
を伸ぶる機会が与えられたら、強ち失敗に終るとも
定
(
き
)
められなかった、あるいは意外の功を挙げないとも計られなかった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
ために将軍家敬し憚り「西丸の
爺
(
じいや
)
」と称して名を呼ばず、安永八年七月二十五日、六十七歳をもって世を終るまで、さすがの田沼
意次
(
おきつぐ
)
さえ、
驥足
(
きそく
)
を延ばすことが出来なかったところの
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それ封建世襲の社会において、いわゆる天民の秀傑なる智勇弁力あるもの、
何
(
いずれ
)
の地に向ってその
驥足
(
きそく
)
を伸べんとする。「株」を買わんか、養子に行かんか、
賄賂
(
わいろ
)
によりて身を立てんか。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
南近江の
六角承禎
(
ろっかくじょうてい
)
を破ってその領土を拡張し、信長がこの地方に
驥足
(
きそく
)
をのばしてきた頃には、浅井家の領土は、
愛知川
(
えちがわ
)
を境とするほど、目ざましい進出を遂げていた時だった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“驥足”の意味
《名詞》
優れた馬の脚力。
優れた才能。また、それを持つ人。
(出典:Wiktionary)
驥
漢検1級
部首:⾺
26画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“驥”で始まる語句
驥尾
驥蝱
驥
驥䖟
驥北