かたり)” の例文
『ええ、どうにでもなつてしまへ畜生、肩揚のあるかたり娘、畑の中であのとき何を出しやがつた、袂のなかから脱脂綿なんか出しやがつて』
味瓜畑 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
こうなると普通のかたりりや強請ゆすりではない。ともかくも其の片袖は本物である。十両の礼金は鍋久が勝手にくれたのである。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かたりでも爲せしか御奉行所へ明日召連罷り出る樣にと御差紙さしがみ到來たうらいし誠に我等迷惑めいわく至極しごくなり然れば夜駕籠よかごなど舁者かくものを店へはおかれぬと申をきゝ權三は大にはら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「やい、このかたり、よくも、よくも、そんなことが云えたものだ、やい、手前がいくらそんなことを云って、ごまかそうとしたって、乃公おいらの方には証人があるぜ」
立山の亡者宿 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
生きて行くことが出来る丈の手当すら与へないで、仕事は一人前を吩付いひつけると云ふのは、隙さへあつたらぬすみでもかたりでもして命をつなげと云ふにひとしいとも云ひ得る。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
し「さあ悪いことには染み易く、露天賭博のでんばくちやおいそれかたり、たつた今も廿両」と懐から最前の金包を
山口屋善右衞門のうちでは、道連と綽号あだなをされました胡麻の灰小平が強談ゆすりに参りましたが、只今では強談かたりをする者も悪才にけて居りまして、種々いろ/\巧者になりましたが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かたりじゃのう、」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『ええ、どうにでもなつてしまへ畜生、肩揚のあるかたり娘、畑の中であのとき何を出しやがつた、袂のなかから脱脂綿なんか出しやがつて』
小熊秀雄全集-15:小説 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
ぬすみて同人へ送り彼の金をかたり取其後村方を出奔しゆつぽん致す申合まをしあはせのふみありしにより私し是を以て九助の證人しようにんとなり右の金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
幸兵衛は其の事が知れては身の上と思ったと見え、自分を気違だのかたりだのとのゝしりこづきまわして、お柳の手を取り、逃帰ったが、斯様こんな人から、一文半銭たゞ貰ういわれがないから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
言掛るかたりなりとて一同立掛り打擲ちやうちやくして表へ突出つきいだしければ大聲揚て泣出なきいだし如何にも皆々疑はるゝは是非なけれど私しはゆすかたりをする樣な者にては決して之なしと種々いろ/\申し譯を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)