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餘命
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よめい
自分の
老衰者であることを
知つた
時諦めのない
凡ては、
動もすれば
互に
餘命の
幾何もない
果敢なさを
語り
合うて、それが
戲談いうて
笑語く
時にさへ
絶えず
反覆されて
手前が
存じをりまするは
是限り。
内祝言の
儀は
乳母が
善う
承知の
筈。
何事にまれ、
予が
不埓と
御檢斷遊ばれうならば、
餘命幾何もなき
老骨、
如何な
御嚴刑にも
處せられませう。
今は
漁人となつて
餘命を
送るといへども、
何日は
身の
罪を
償うて
再び