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頬冠
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ほゝかぶ
ふりがな文庫
“
頬冠
(
ほゝかぶ
)” の例文
「そればかりは判りませんよ、何時でも手拭で
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りをして——誰かに後を跟けられたと覺ると、その逃げ足の早いと言ふことは——」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
取建四方の
道筋
(
みちすぢ
)
へは與力同心等晝夜出役して
往來
(
わうらい
)
の旅人
馬
(
うま
)
駕籠
(
かご
)
は
乘打
(
のりうち
)
を禁じ
頭巾
(
づきん
)
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りをも制し嚴重に警固せり天一坊方にては此樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
病人はまた
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りをさせられた。今度は一段と強く縛られたので、顔は小包のやうに歪んでゐた。医者はそれを連れて裏の柿の木の下に立たせた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
永禪和尚も
最
(
も
)
う是までと諦らめ、逐電致すより
外
(
ほか
)
はないと心得ましたから、
覗
(
のぞ
)
きの手拭で
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りを致し、七兵衞の
褞袍
(
どてら
)
を着て三尺を締め、だく/″\した
股引
(
ぱっち
)
を
穿
(
は
)
きまして
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寢
(
ね
)
かし
置
(
おき
)
其夜
(
そのよ
)
丑
(
うし
)
の
刻
(
こく
)
とも思しき頃
豫
(
かね
)
て
研澄
(
とぎすま
)
したる
出刄庖丁
(
でばばうちやう
)
を
懷中
(
くわいちう
)
なし
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りして忍び
出
(
いで
)
頓
(
やが
)
て質屋の前へ行き
四邊
(
あたり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
盲目地
(
めくらぢ
)
の袷に、豆絞りの
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りで、
懷中
(
ふところ
)
に呑んでゐた
匕首
(
あひくち
)
を拔いて、
脅
(
おどか
)
しながら——俺は黒雲五人男の一人だ、岡つ引の家を承知で入つたが、ジタバタすると命が危ない。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
医者は急いで
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りをとらせてみたが、病人は相変らず間の抜けた顔をして涎をくつてゐた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
して
遣
(
やら
)
んと
尻
(
しり
)
引縛
(
ひつから
)
げ
強刀物
(
だんびらもの
)
を落し
差
(
ざし
)
になし
頬冠
(
ほゝかぶ
)
り深く顏を
隱
(
かく
)
し
利根川堤
(
とねがはづつみ
)
を
指
(
さし
)
て
急
(
いそ
)
ぎけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
二人は
田圃道
(
たんぼみち
)
にかゝりました。と出逢ひ頭に、森の中から出て來た男、ハツと面喰つた樣子で、
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りのまゝ通り過ぎます。横顏だけしか見えませんが、二十五六の小意氣な男です。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
牝犬
(
めすいぬ
)
の死んだ前の日、變な奴がウロウロして居たさうですよ。小僧や小女が追つ拂つても、
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りも取らずに何にかブツブツ言つて居たが、主人の顏を見ると、さすがに驚いて逃げ出したさうで」
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「でも、侍
髷
(
まげ
)
が
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りの下から見えたと叔母は言ひましたぜ」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頬
部首:⾴
15画
冠
常用漢字
中学
部首:⼍
9画
“頬”で始まる語句
頬
頬杖
頬張
頬被
頬辺
頬骨
頬白
頬髯
頬桁
頬笑