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面前
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まのあたり
ふりがな文庫
“
面前
(
まのあたり
)” の例文
自分と露地口まで連立って、一息
前
(
さき
)
へ駆戻ったお千世を
捉
(
とら
)
えて、
面前
(
まのあたり
)
喚くのは、
風説
(
うわさ
)
に聞いたと違いない、茶の缶を
敲
(
たた
)
く叔母であろう。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聊か感情の強いのみで殊に義侠の気さえ有る男ゆえ、
面前
(
まのあたり
)
に見る有様の為全く其の義侠の心が絶頂に達したのであろう、断乎たる決心の籠った声で
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
と
御米
(
およね
)
の
生命
(
らいふ
)
を、
毎年
(
まいとし
)
平凡
(
へいぼん
)
な
波瀾
(
はらん
)
のうちに
送
(
おく
)
る
以上
(
いじやう
)
に、
面前
(
まのあたり
)
大
(
たい
)
した
希望
(
きばう
)
も
持
(
も
)
つてゐなかつた。かうして
忙
(
いそ
)
がしい
大晦日
(
おほみそか
)
に、
一人
(
ひとり
)
家
(
いへ
)
を
守
(
まも
)
る
靜
(
しづ
)
かさが、
丁度
(
ちやうど
)
彼
(
かれ
)
の
平生
(
へいぜい
)
の
現實
(
げんじつ
)
を
代表
(
だいへう
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
紫式部
(
むらさきしきぶ
)
兼好法師
(
けんこうほうし
)
も三舎を避る和語の上手をして文を草せしめ、之を贈りて人の非を諫めしむると、訥弁鈍舌の田夫野老をして
面前
(
まのあたり
)
言
(
ことば
)
を呈して人の非を諫めしむると、其の人の感情を動す
孰
(
いず
)
れか深き
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
しかも場所は、
面前
(
まのあたり
)
彼処
(
かしこ
)
に望む、神田明神の春の
夜
(
よ
)
の境内であった。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
彼は自分と御米の
生命
(
ライフ
)
を、毎年平凡な
波瀾
(
はらん
)
のうちに送る以上に、
面前
(
まのあたり
)
大した希望も持っていなかった。こうして忙がしい大晦日に、一人家を守る静かさが、ちょうど彼の平生の現実を代表していた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“面前”の意味
《名詞》
面 前(めんぜん)
目の前。
(出典:Wiktionary)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“面”で始まる語句
面
面白
面影
面目
面持
面喰
面倒
面色
面長
面当