でん)” の例文
このとき、とつじょとして洞内からおどりでた、一壮漢そうかんがある。その顔はあしゅらのごとく、眼は厳下がんかでんのごとくかがやいている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
今は恐ろしき沈黙はすでにとく破れて、雷鳴りでんひらめき黒風こくふう吹き白雨はくうほとばしる真中まなかに立てる浪子は、ただ身をして早く風雨の重囲ちょういを通り過ぎなんと思うのみ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そのつたみせといふのが、新はし博品館はくひんくわんとなりの今はぼうになつてゐる雜貨店ざつくわてんで、狹い銀座通ぎんざとほりにはまだ鐡道てつどう車が通ひ、新はししなかんでん車になつたばかりのころだつた。
燕兵もと勇にして毎戦毎勝す。庸の軍を見るや鼓譟こそうしてせまる。火器でんごとくに発し、毒弩雨の如く注げば、虎狼鴟梟ころうしきょう、皆傷ついて倒る。又平安へいあんの兵の至るに会う。庸ここに於て兵をさしまねいておおいに戦う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
れば、魔王嶽まわうがだけ絶頂ぜつてうあたりて、でん
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
でんしんばしらの影の藍靛インデイゴ
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)