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雪中
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せつちう
十一月の廿七日かに
大山の(相州)
後ろの
丹波山の森へ
入つた時などは
雪中で野宿同樣な目をした事もある。
それから
又調子附いて、
雪中雨中構ひ
無しに
掘つて、三十五
年の十二
月三十
日、
棹尾の
成功としては
望蜀生が、
第貳圖ロの
如き
口唇具を
出した。
朱塗である。
一は曰く
飽迄従前の如く水中を
溯らん、一は曰く山に
上り山脈を
通過して水源の上に
出でん、
特に人夫中冬猟の
経験ありて
雪中此辺に
来りしもの、皆曰く是より前途は
嶮更に嶮にして
幽更に幽
高野聖は
此のことについて、
敢て
別に
註して
教を
与へはしなかつたが、
翌朝袂を
分つて、
雪中山越にかゝるのを、
名残惜しく
見送ると、ちら/\と
雪の
降るなかを
次第に
高く
坂道を
上る
聖の
姿