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遣違
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やりちが
七兵衛は腰を
撓めて、
突立って、
逸疾く一間ばかり
遣違えに川下へ流したのを、振返ってじっと
瞶め
で、
一搖り
肩を
搖つて、
無雜作に、
左右へ
遣違へに、ざくりと
投掛ける、と
腰でだぶりと
動く。
真中頃で、向岸から駆けて来た郵便
脚夫と
行合って、
遣違いに一緒になったが、分れて橋の
両端へ、脚夫はつかつかと間近に来て、与吉は
彼の、倒れながらに半ば黄ばんだ
銀杏の影に小さくなった。
眞中頃で、
向岸から
駈けて
來た
郵便脚夫と
行合つて、
遣違ひに
一緒になつたが、
分れて
橋の
兩端へ、
脚夫はつか/\と
間近に
來て、
與吉は
彼の、
倒れながらに
半ば
黄ばんだ
銀杏の
影に
小さくなつた。
で、
揚あしを左の股、
遣違いにまた右て。