“逸疾”の読み方と例文
読み方割合
いちはや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
逸疾いちはやく出発して行くのもいた。塩魚売りも、冶師やしも、飴屋あめやも、生姜しょうが売りも、姿は見えなかった。明日は珍富と大和に市が立つ。
蕎麦の花の頃 (新字新仮名) / 李孝石(著)
一掴み馬上に掻遣かいやり、片手に手綱を控えながら、一蹄いってい三歩、懸茶屋の前に来ると、くだんの異彩ある目に逸疾いちはやく島野を見着けた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と言い懸けて、渋茶にまた舌打しながら、円い茶の子を口のはたへ持ってくと、さあらぬかたを見ていながら天眼通でもある事か、逸疾いちはやくぎろりと見附けて
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)