“掻遣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいや75.0%
かきや25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一掴み馬上に掻遣かいやり、片手に手綱を控えながら、一蹄いってい三歩、懸茶屋の前に来ると、くだんの異彩ある目に逸疾いちはやく島野を見着けた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云い切ると、お千代を掻遣かいやるようにして歩き出した。しかし五六間歩いた時、気になるので、振返って見た。お千代が、放心したような姿で、尚、松本家の門前に佇んでいるのが見えた。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こたびとてもまた同き繰言くりごとなるべきを、何の未練有りて、いたづらに目をけがし、おもひきずつけんやと、気強くも右より左に掻遣かきやりけるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)