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逸疾
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いちはや
ふりがな文庫
“
逸疾
(
いちはや
)” の例文
逸疾
(
いちはや
)
く出発して行くのもいた。塩魚売りも、
冶師
(
やし
)
も、
飴屋
(
あめや
)
も、
生姜
(
しょうが
)
売りも、姿は見えなかった。明日は珍富と大和に市が立つ。
蕎麦の花の頃
(新字新仮名)
/
李孝石
(著)
一掴み馬上に
掻遣
(
かいや
)
り、片手に手綱を控えながら、
一蹄
(
いってい
)
三歩、懸茶屋の前に来ると、
件
(
くだん
)
の異彩ある目に
逸疾
(
いちはや
)
く島野を見着けた。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と言い懸けて、渋茶にまた舌打しながら、円い茶の子を口の
端
(
はた
)
へ持って
行
(
ゆ
)
くと、さあらぬ
方
(
かた
)
を見ていながら天眼通でもある事か、
逸疾
(
いちはや
)
くぎろりと見附けて
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
七兵衛は腰を
撓
(
た
)
めて、
突立
(
つった
)
って、
逸疾
(
いちはや
)
く一間ばかり
遣違
(
やりちが
)
えに川下へ流したのを、振返ってじっと
瞶
(
みつ
)
め
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
判事に浮世ばなしを促されたのを
機
(
しお
)
にお幾はふと針の手を留めたが、返事より
前
(
さき
)
に
逸疾
(
いちはや
)
くその眼鏡を外した、進んで何か言いたいことでもあったと見える、別の
吸子
(
きゅうす
)
に
沸
(
たぎ
)
った湯をさして
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
という、高がこんな下駄を(しかねめえ。)というほどの事はあるまいと思うほど、
頭
(
かしら
)
が
為振
(
しぶり
)
を見て、婆さんはこの
年紀
(
とし
)
になってもその
瞼
(
まぶた
)
の黒い目に、
逸疾
(
いちはや
)
く
仔細
(
しさい
)
があろうと見て取った。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
逸
常用漢字
中学
部首:⾡
11画
疾
常用漢字
中学
部首:⽧
10画
“逸”で始まる語句
逸
逸早
逸物
逸見
逸話
逸品
逸足
逸散
逸楽
逸事