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あそびにん
ふりがな文庫
“
遊人
(
あそびにん
)” の例文
章一のすぐ
後
(
うしろ
)
を歩いていた一人の
遊人
(
あそびにん
)
は、章一の倒れた時その
脚下
(
あしもと
)
から一
疋
(
ぴき
)
の猫のような小さな
獣
(
けもの
)
の飛びだして走ったのを見た。
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
諸方の
部屋
(
へや
)
へ行って銀張りの
博奕
(
ばくち
)
などをして
遊人
(
あそびにん
)
の仲間入りをするというような始末になって、家道は段々と衰えて行ったのでありました。
幕末維新懐古談:01 私の父祖のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
清「
己
(
おれ
)
は
遊人
(
あそびにん
)
じゃアねえよ、此の節は前とは違って
請負
(
うけおい
)
仕事もまご/\すると損をするのだ、むずかしい世の中になったのよ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ついこの間までは人のいやがる
遊人
(
あそびにん
)
とまで身を
持崩
(
もちくず
)
していなすったのが
暫
(
しばら
)
くの
中
(
うち
)
に
御本丸
(
ごほんまる
)
の
御勘定方
(
ごかんじょうがた
)
におなりなさるなんて
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これが
遊人
(
あそびにん
)
とか、町内の若い衆とかいうなら知らず、ちったあ身分もあるものに本当に惚れられた
芸妓
(
げいしゃ
)
といっちゃあ、まあ、お前一人だろうよ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
講釈師より
遊人
(
あそびにん
)
といった名だから勿論前座だが、締った読み調子、素人染みているにしては——巧いというのだろう。
相馬の仇討
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
四十代時分には、時々若い
遊人
(
あそびにん
)
などを
近
(
ちかづ
)
けたと云う噂のある隠居は、おゆうが嫁に来るまでは、
幼
(
ちいさ
)
い時から甘やかして育てて来た
子息
(
むすこ
)
の房吉を、
猫可愛
(
ねこかわゆ
)
がりに愛した。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「この間は、十郎さんが、二十人もの
遊人
(
あそびにん
)
を雇って、玉井さんを脅迫しましたのよ。御存じ?」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
暁団といえば、古い伝統を引いた江戸
生
(
は
)
えぬきの
遊人
(
あそびにん
)
の団体だったが、今日ではモダン化されて若い連中ばかり。当時の団長は
江戸昌
(
えどまさ
)
といってまだ三十を二つ三つ越した若者だった。
獏鸚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
藤吉が見ると、色の浅黒い、
遊人
(
あそびにん
)
風俗の見馴れない男が立っていた。
釘抜藤吉捕物覚書:09 怨霊首人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
男「何うだって
遊人
(
あそびにん
)
だ、
彼方
(
あっち
)
此方
(
こっち
)
二晩三晩と
何処
(
どこ
)
から何処へ行くか知れねえ男で、やくざ野郎サ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
深川へ参りましてね、
母親
(
おふくろ
)
が訳を
謂
(
い
)
って話をしますと、堅気の
商人
(
あきんど
)
だ、
遊人
(
あそびにん
)
なんぞ
対手
(
あいて
)
にして口を利けるんじゃあないけれども、伝か、
可
(
よ
)
し、鯰ならば
仔細
(
しさい
)
はないと、さらりと
埒
(
らち
)
は明いたんです。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遊人
(
あそびにん
)
風の男である。話があるといわれ、暗い劇場裏につれて行かれた。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
作「
遊人
(
あそびにん
)
という訳でもねえが、馬を引いてるから、賭博を
打
(
ぶ
)
って歩く事も出来ねえのさ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云うので是から
楽酒
(
たのしみざけ
)
を飲んで喜んで寝まする。すると一番奥の長屋に一人者があって
其処
(
そこ
)
に一人の
食客
(
いそうろう
)
が居りましたが、これは其の頃
遊人
(
あそびにん
)
と云って天下禁制の裸で
燻
(
くすぶ
)
って居る奴
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“遊人”の意味
《名詞》
遊人(ゆうじん)
一定の職業を持たず遊んでいる人。
物見遊山に出る人。
(出典:Wiktionary)
遊
常用漢字
小3
部首:⾡
12画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“遊人”で始まる語句
遊人体
遊人風