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退學
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たいがく
もしくは
夫等から
棄てられた。
學校からは
無論棄てられた。たゞ
表向丈は
此方から
退學した
事になつて、
形式の
上に
人間らしい
迹を
留めた。
歸るときに、
小六は
袂から
半紙を
何枚も
出して、
缺席屆が
入用だから
是に
判を
押して
呉れと
請求して、
僕は
退學か
在學か
片が
付く
迄は
勉強が
出來ないから
彼等は
安井を
半途で
退學させ、
郷里へ
歸らせ、
病氣に
罹らせ、もしくは
滿洲へ
驅り
遣つた
罪に
對して、
如何に
悔恨の
苦しみを
重ねても、
何うする
事も
出來ない
地位に
立つてゐたからである。