跣足せんそく)” の例文
(下のかたより高田圭吉、シャツ一枚にてズボンの裾をまくり上げ、跣足せんそくにて走り出づ。雨の音。銅鑼の音。夫婦の叫ぶ声。)
青蛙神 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
先生のきょ、同じく戒心かいしんあるにもかかわらず、数十の生徒せいとともな跣足せんそく率先そっせんして池水いけみずくみては門前に運び出し、泥塗満身でいとまんしん消防しょうぼう尽力じんりょくせらるること一霎いっしょう時間じかんよっかろうじてそのさいまぬかれたり。
『野語』の文は〈野婆は南丹州にづ、黄髪椎髻ついけい、裸形跣足せんそく、儼然として一媼のごときなり、群雌牡なく、山谷を上下すること飛猱ひどう(猴の一種)のごとし、腰より已下皮あり膝をおお
おう」は普通ふつう乞食こつじきひとしく、かげもなき貧民ひんみんなり。頭髮とうはつ婦人をんなのごとくながびたるをむすばず、かたよりれてかゝといたる。跣足せんそくにて行歩かうほはなはけんなり。容顏ようがん隱險いんけんび、みゝさとく、するどし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)