説教せっきょう)” の例文
茶を飲みながらふと見ると、壁の貼紙はりがみに、彼岸会ひがんえ説教せっきょう斗満寺とまむじと書いてある。斗満寺! 此処ここ其様そんなお寺があるのか。えゝありますと云う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
まあ、せいぜい、小人が魔法まほうでもって、あのお説教せっきょうをおぼえさせてくれることくらいは、取りきめておくべきでした。
ちいちゃんは、お説教せっきょうのあとで、子供こどもたちが、幾組いくくみかにかれて、先生せんせいからくおはなしをたのしみにしていました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところがちょうど十二日の晩ですがそこに居る四、五けんの遊牧民が私に請うて説教せっきょうをしてくれということがあった。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「こいつはいけねえや、竹生島ちくぶしまのおやじにうと、またなにか、小やかましいお説教せっきょうを聞かされるにちがいない」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはドノバンがその才知にまかせて弁舌べんぜつをふるい、他の少年を眼下に見くだすためと、いま一つは富士男のために投げとばされてさんざん説教せっきょうされた醜態しゅうたいを演じたためである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
やあたいへんな説教せっきょうをやったね。茶が冷えてしまう菓子かしでもやりたまえ。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
みんなが、しずかにしていますので、ちいちゃんは、お説教せっきょうわるまで、そとっていようとおもいました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おまえがおかあさんやおとうさんといっしょに教会へいきたくないのなら、うちにいてもいいが、せめてお説教せっきょうだけは読んでおきなさい。おまえにその約束ができるかね?」
やがて納棺のうかんして、葬式が始まった。調子はずれの讃美歌さんびかがあって、牧師ぼくし祈祷きとう説教せっきょうがあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
宮内くないはいつか伴天連バテレン説教せっきょうにきいたことがあるので、蛾次郎もそれに近い人間かなと考えた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちいちゃんは、うたいながら、教会堂きょうかいどうまではしっていくと、はや、お説教せっきょうが、はじまっていました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
月番つきばんになっては、慰兵会費を一銭ずつ集めて廻って、自身役場に持参じさんした。村の耶蘇教会にも日曜毎にちようごとに参詣して、彼が村入して程なくまねかれて来た耳の遠い牧師の説教せっきょうを聴いた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
少年は読んだり、コックリコックリしたり、ねむるまいとがんばったりしました。「眠っちゃだめだ。」と、少年は思いました。「眠ったら、午前中にお説教せっきょうは読みきれっこないぞ。」
まちへささやかな教会堂きょうかいどうがたてられました。ちかくの子供こどもたちや、めぐまれない家庭かていおんなたちが、日曜日にちようびごとに、おいのりにあつまって、牧師ぼくしのお説教せっきょうをきいたのであります。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)