話題はなし)” の例文
私は初めての事でもあり、且つは、話題はなしを絶やさぬ志田君と隣つて居る故か、おのづと人の目について、返せども、/\、盃が集つて来る。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あいちやんはねんすやうにはれたのを面白おもしろからずおもつて、なにほか話題はなしはじめやうとして、れかれかとかんがへてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
お藤はすぐ、おのが恋仇敵ともいうべき左膳の思いもの弥生のことを、われから話題はなしに持ち出したのだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それから、ホテリングとロスリッジと二人の間に、同じ大工として仕事の話題はなしが持出された。教会の事務や、銘めいの役目のことなどもふたりの口に上った。何気ない会話だ。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
話題はなしはそれでれた。程なくしてお利代が出てゆくと、智恵子はやをら立つて袴を脱いで、丁寧にそれを畳んでゐたが、何時か其の手が鈍つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うするには話題はなしへるサ』とあくびをしながら三月兎ぐわつうさぎつて、『もう、此麽こんなことにはきてた。若夫人わかふじんなにひとはなしてもらはうぢやないか』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
『そんなら一にち何時間なんじかんまへ稽古けいこをしたの?』とあいちやんは話題はなしへやうとしていそいでひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
話題はなしは変つて了つた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)