言語道断ごんごどうだん)” の例文
旧字:言語道斷
そんなものに心を掻きみださるるなど、言語道断ごんごどうだん、もののふの鉄石心とは、そんなもろいものじゃない。のう、そんな脆いものじゃあるまい
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、貴様に違いない、お膝元に住居すまい致し、永らく徳川家の御恩をこうむりながら、公儀に対して悪口あっこうを申すとは言語道断ごんごどうだんな奴」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
三百六十五日でも七百五十日でも、わるい事を同じように重ねて行く。重ねてさえ行けば、わるい事が、ひっくり返って、いい事になると思ってる。言語道断ごんごどうだん
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
言語道断ごんごどうだんの御難儀、お城からは、毎日のように、御使者で、行方ゆくえをお責め問い——御隠居さまも、とんと、御当惑——一日のばしに、お申しわけをなされていたのでござりますが
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
少しゆるやかにする位の事はむろんあるべきはずですが、あるいは博奕ばくちをしたり公々然こうこうぜん汚穢おわい振舞ふるまいをしたり、神聖に保たるべき寺の中の騒しい事なお市場いちばより甚しいというに至っては言語道断ごんごどうだんの次第で
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ならべて帰るなぞ言語道断ごんごどうだんの振舞度々なりき。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「後ろから見ると、あの通り美しい女に見えるが、前に廻って見れば言語道断ごんごどうだんのものだ。さあ与八、ここに軽業かるわざがある」
「知らぬことならとにかく、吾々を蜂須賀家の者と知って足を止めよとは言語道断ごんごどうだんだ。一体なんじはどこのうろたえ者だッ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白砂糖と牛乳で五重の塔を作るに至っては、言語道断ごんごどうだんの沙汰である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お絹の身持は言語道断ごんごどうだん、福村の奴もこれまで、どのくらい眼をかけてやったか知れないのに、ふざけた真似をする
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
また、石舟斎のまえに来て、大地になど手をつくか。——主命の何たるものかすら忘れ果てるなど、言語道断ごんごどうだん
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
言語道断ごんごどうだん、かかる不運なるところへ来りてそうろうものかな、この上は力及ばず、いでいで最後の勤めをなさん」
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あのようなみだら者、妹とも思うてはおりませぬ。幼少から御恩をうけた諸家に御迷惑をかけたのみならず、お上の追捕人ついぶにんと手をひいて、行方をくらますなど、言語道断ごんごどうだんな女です。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このれがましい、大講会だいこうえ広前ひろまえで、かたく、やくをむすんだ試合しあいながら、さまざまに難癖なんくせをつけたあげく、そのうらをかいて、咲耶子さくやこのすがたをかくしてしまうという言語道断ごんごどうだんおこないを
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
言語道断ごんごどうだんの奴ではあるが、船長としての駒井甚三郎が、その言語道断の奴を一刀両断にもし難い——というのは、駒井甚三郎はその秀抜な頭脳を以て、最近の学術と、経験と、応用とを以て
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『何とも、言語道断ごんごどうだんな仕方ではござりませぬか。ああいう人間とは、今日まで』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを切り崩して金儲けをもくろむとは言語道断ごんごどうだん……一体、仏寺なるものが、その祖師の恩恵によって過分の待遇を受け、広大な領分を持ち、諸方の勧化かんげむさぼりながら、なおそれにあきたらず
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「貴様たちは言語道断ごんごどうだんの奴等だ、このザマは何事だ」
「あたらよ、気負きおい者。その愚や、言語道断ごんごどうだん
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのくちからして言語道断ごんごどうだん
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
言語道断ごんごどうだん
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
言語道断ごんごどうだん
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)