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蝋色
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ろういろ
ふりがな文庫
“
蝋色
(
ろういろ
)” の例文
彼女は頭も
毬栗
(
いがぐり
)
で、
頬
(
ほお
)
はげっそり
削
(
そ
)
げ鼻は
尖
(
とが
)
り、手も
蝋色
(
ろういろ
)
に
痩
(
や
)
せ細っていたが、病気は急性の肺炎に、腹膜と
腎臓
(
じんぞう
)
の併発症があり
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「白のニッケル、マホガニー材、
蝋色
(
ろういろ
)
の大理石、これだけあれば、俺はどんな感情でも形に
纏
(
まと
)
めてみせるね。どんな繊細な感情でもだぞ」
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
がらんとした部屋と思ったが、それは入口の附近の壁を見ただけのこと、それはいちめんに
蝋色
(
ろういろ
)
に塗られて、なにもなかった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頤骨
(
あごぼね
)
が
尖
(
とが
)
り、頬がこけ、
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
がざらざらと
疎
(
あら
)
く黄味を帯び、その
蒼黒
(
あおぐろ
)
い
面色
(
かおいろ
)
の、
鈎鼻
(
かぎばな
)
が尖って、ツンと
隆
(
たか
)
く、小鼻ばかり
光沢
(
つや
)
があって
蝋色
(
ろういろ
)
に白い。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
第一が黒の
蝋色
(
ろういろ
)
である。それから、朱、
青漆
(
あおうるし
)
、朱うるみ、ベニガラうるみ、金
白檀
(
びゃくだん
)
塗り、
梨子地
(
なしじ
)
塗りなど。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
そのかげに身をひそめた左膳が、近づく駕籠を
半暗
(
はんあん
)
にすかして見ると——
蝋色
(
ろういろ
)
鋲打
(
びょうう
)
ちの身分ある女乗物。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
だん/\
蝋色
(
ろういろ
)
に、白んで行く、不幸な青年の
面
(
かお
)
をじっと見詰めていると、信一郎の心も、青年の不慮の横死を
悼
(
いた
)
む心で一杯になって、ほた/\と、涙が流れて止まらなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その足どりは甚だ軽く、腰に帯びた大小の
蝋色
(
ろういろ
)
もおだやかで、重きに煩う色はない。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
錦の袋では脅かされたが、中から出たのは
蝋色
(
ろういろ
)
朱磯草研出
(
しゅいそくさとぎだ
)
しの
鞘
(
さや
)
。
山坂吉兵衛
(
やまさかきちべえ
)
の
小透
(
こすか
)
し
鍔
(
つば
)
。
鮫皮
(
さめかわ
)
に
萌黄糸
(
もえぎいと
)
の
大菱巻
(
おおひしまき
)
の
欛
(
つか
)
、そこまでは平凡だが、中身を見るまでもない。目貫が銀の
輪蝶
(
りんちょう
)
。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
まるで
市松人形
(
いちま
)
のような、………と、幸子は云ったが、その
蝋色
(
ろういろ
)
に透き
徹
(
とお
)
った、なまめかしい迄に美しい顔を
視詰
(
みつ
)
めていると、板倉だの奥畑だのの恨みが取り
憑
(
つ
)
いているようにも思えて
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
左手に
大業物
(
おおわざもの
)
蝋色
(
ろういろ
)
の
鞘
(
さや
)
を、ひきめ下げ緒といっしょにむんずとつかんで、おどろいたことには、もうその、小蛇のかま首のようなおや指が、今にも
鯉口
(
こいぐち
)
を切ろうとしているのだ。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
蝋
漢検準1級
部首:⾍
14画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“蝋色”で始まる語句
蝋色鞘
蝋色塗
蝋色柄
蝋色漆