處爲しうち)” の例文
新字:処為
さりとは愛敬あいきやうひとあきれしことありしが、たびかさなりてのすゑにはおのづか故意わざと意地惡いぢわるのやうにおもはれて、ひとにはもなきにれにばかりらき處爲しうちをみせ、ものへばろく返事へんじしたことなく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人には左もなきに我れにばかり愁らき處爲しうちをみせ、物を問へば碌な返事した事なく、傍へゆけば逃げる、はなしを爲れば怒る、陰氣らしい氣のつまる、どうして好いやら機嫌の取りやうも無い
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まつりの夜の處爲しうちはいかなる卑怯ぞや、長吉のわからずやは誰れも知る亂暴の上なしなれど、信如の尻おし無くば彼れほどに思ひ切りて表町をばあらし得じ、人前をば物識ものしりらしく温順すなほにつくりて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
表町おもてまちとて横町よこちやうとておな教塲けうじやうにおしならべば朋輩ほうばいかわりははづを、をかしきへだてと常日頃つねひごろ意地いぢち、れはをんなの、とてもかなひがたき弱味よわみをば付目つけめにして、まつりの處爲しうちはいかなる卑怯ひきやうぞや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)