薙倒なぎたふ)” の例文
『今日は奈何して、那麽ああ冷淡だつたらう?』と、智恵子の事を考へ乍ら、信吾は強くステツキを揮つて、路傍みちばたの草を自暴やけ薙倒なぎたふした。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
驚喜の余り身を支へ得ざる遊佐の片手はしやもはちの中にすつぱと落入り、乗出す膝頭ひざがしら銚子ちようし薙倒なぎたふして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そのころくさというては悉皆みんな薙倒なぎたふして麁朶そだでもしばるやうに中央ちうあうつかねてうまむのであつた。雜木林ざふきばやしあひだうまつないだまゝかれ衣物きものあらためてあてどもなくぶらつくのがきであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
幸ひ片端かたはしより破落離々々々ばらり/\薙倒なぎたふす勢ひに惡漢どもは大いに驚き是は抑如何そもいか仁王にわう化身けしん摩利支天まりしてんかあら恐ろしの強力や逃ろ/\と云ひながら命からがら逃失にげうせけりまた打倒うちたふされし五七人は頭をわらすね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『何をするツ、貴様らこそ。』と、信吾はモウ夢中にたけり立つて、突然いきなり志郎と昌作を薙倒なぎたふす。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)