茫々ぼう/\)” の例文
はなの下だの、眉毛まゆげの辺だのには、たくましいむく茫々ぼう/\と生えて、人間の顔のような感じはしない。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
左右さいう見渡みわたかぎ苜蓿うまごやし下臥したふは、南部馬なんぶうま牧場ぼくぢやうくに、時節じせつとて一とうこまもなく、くもかげのみそのまぼろしばして一そうさびしさをした……茫々ぼう/\たる牧場ぼくぢやうをやゝぎて、みちゑがところ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それがふるくから火事かじかれたり、をのられたりして、天然てんねんにあつたそれ樹木じゆもく大抵たいていえてなくなつてしまひ、つひに今日こんにちるような茫々ぼう/\として、はてしもないような草原くさはらになつたのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)