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色子
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いろこ
ふりがな文庫
“
色子
(
いろこ
)” の例文
「身振りなんかしたつて、お前ぢや色若衆には見えないよ。そんなのは大方芝居の
色子
(
いろこ
)
のヒネたのか、
蔭間
(
かげま
)
の大年増が道に迷つたんだらう」
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
色子
(
いろこ
)
や、役者衆は、みんなこういう物を、額にあてております。私ばかりではございません。お目
障
(
ざわ
)
りになりましたら、どうかお勘弁を』
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元より、歌舞伎役者の常として、
色子
(
いろこ
)
として舞台を踏んだ十二三の頃から、数多くの色々の色情生活を
閲
(
けみ
)
している。四十を越えた今日までには幾十人の女を知ったか分らない。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あるひは楽屋
稲荷町
(
いなりまち
)
の混雑、
中二階
(
ちゅうにかい
)
女形部屋
(
おんながたへや
)
の
体
(
てい
)
、また
欞子窓
(
れんじまど
)
に
縄暖簾
(
なわのれん
)
下
(
さ
)
げたる怪しき入口に
五井屋
(
ごいや
)
と
記
(
しる
)
して
大振袖
(
おおふりそで
)
に
駒下駄
(
こまげた
)
の
色子
(
いろこ
)
過ぎ行くさまを描きしは
蔭間茶屋
(
かげまぢゃや
)
なるべきか。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さては、ひとを河原者、
色子
(
いろこ
)
あがり同然とあなどって、婦女子の、
弄
(
もてあそ
)
びもの、つれづれの
伽
(
とぎ
)
として、
淫
(
みだ
)
らなことを、させようとしむけるのだな。しかも、相手は恨み重なる土部三斎の娘——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
このよし原が浅草
田圃
(
たんぼ
)
に移され、新吉原となってからでも、享楽地としては人形町通りを境にして親父橋
寄
(
よ
)
りに、葭町、堺町、
葺屋
(
ふきや
)
町側に三座の
櫓
(
やぐら
)
があり、かげま茶屋、
色子
(
いろこ
)
、
比丘尼
(
びくに
)
が
繁昌
(
はんじょう
)
した。
旧聞日本橋:07 テンコツさん一家
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
蔭間茶屋
(
かげまぢゃや
)
の
色子
(
いろこ
)
(
野郎
(
やろう
)
)風俗だの売女の
装
(
な
)
り
振
(
ふ
)
りが、良家の子女にまで真似られて、大奥や柳沢閥の
華奢
(
かしゃ
)
をさえ、色彩のうすいものにした。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
米吉は坊主
禿
(
かむろ
)
から成人して
色子
(
いろこ
)
になりお染の薄墨太夫に拾はれて、その
間夫
(
まぶ
)
になつたのさ。商賣女のいか物喰ひだよ。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこではまた、きれいな
舞妓
(
まいこ
)
や
色子
(
いろこ
)
たちが、
団扇
(
うちわ
)
の風を送るやら、
吹井
(
ふきい
)
の水で
手拭
(
てぬぐい
)
を冷やしてくるやら、女が女をとり巻いて、何しろ大したもて方である。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんなわけぢやありませんがね、主人の鈴川主水のいふことには——良い男ばかり集つてゐると
陰間宿
(
かげまやど
)
だの、
色子
(
いろこ
)
の
女衒
(
ぜげん
)
だのと、世間の噂がうるさくて叶はない。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「オオ……。万字屋の
色子
(
いろこ
)
だと
詐
(
いつわ
)
って、おれたちに大傷を負わせ、この女を、助けて逃げた娘の母親……」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先代の薄墨華魁が死んだ後は、何んでも
色子
(
いろこ
)
になつたとか妙な噂もありましたが、吾妻屋さんに身請された二代目の薄墨華魁が見つけて來て、大層世話をしてをりました。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おい、おめえは、
蔭間屋
(
かげまや
)
の
色子
(
いろこ
)
じゃねえのか。
身装
(
みなり
)
で分らあ、蔭間だろう、おめえは」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取つかへ、引つかへ、綺麗な
子方
(
こがた
)
や芝居の
色子
(
いろこ
)
を飼つて置くさうですよ。佐野松だつて、世間體は弟といふことになつてゐるが、あれも能役者上がりで、何んだかわかつたものぢやありません。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どこかしらのお
大尽
(
だいじん
)
が、京の
芸妓
(
げいこ
)
や
色子
(
いろこ
)
をこぞッて、
琵琶湖
(
びわこ
)
へ涼みに出かけるのだろう。いやいや、お大尽様というものは昔から男のものに限っている、あの駕の中に納まっているのは女じゃないか。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丁字風呂
(
ちょうじぶろ
)
の裏門から、すっと中に消え込む十八、九の
色子
(
いろこ
)
がある。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“色子”で始まる語句
色子姿