臨終りんじう)” の例文
富木どきどのの御物おんものがたり候は、このはわ(母)のなげきのなかに、りんずう(臨終りんじう)のよくをはせしと、あまがよくあたり、かんびやうせしことのうれしさ
急の臨終りんじうだつたさうで、亡くなつてから店へ孝吉が迎ひに來たので、先生も一緒に行つて見た樣子ですが、御隱居さんは以ての外の腹立ちで、捨てられた夫に死顏を
わたし臨終りんじうらせなんでせうから、すぐに心掛こゝろがかりのないやうに、遺言ゆゐごん眞似まねごとだけもしませうと、果敢はかないんですわねえ……たゞそればかりをまとのやうにしてみはつてたんですよ。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一つは兄の臨終りんじうに間に合はなかつたことが、通知に手落ておちでもあつたやうに、彼が考へてゐるのだと思はれてゐるらしかつた。勿論彼は兄の生前に行きあはさなかつた事を残念に思つた。
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
今か/\とたのしみ居たれどあん相違さうゐして其後一かう手紙てがみも來らず此方このはうよりは度々たび/\文通ぶんつうすれども一度の返事へんじもなきにより今は吉三郎の母のおいねも大に立腹りつぷくをつと茂兵衞が臨終りんじう那程迄あれほどまでに頼みしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よるなり。二人、臨終りんじう寝椅子ねいすに青み、むかひゐて
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
三人迄取りけれ共皆離縁になり其後惡き者と欠落かけおちし母方のあと斷絶だんぜつせり此外には親類もあらざれば母は臨終りんじうの時傳吉に向ひ我が妹お早は其方の爲に實の叔母をばなれども先年せんねん村を欠落かけおちなし今は其の在家ありか
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お直さんの臨終りんじうの樣子を聽きたいが——」