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臆説
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おくせつ
ふりがな文庫
“
臆説
(
おくせつ
)” の例文
要するに
臆説
(
おくせつ
)
紛々
(
ふんぷん
)
としていずれが真相やら判定し難いがここに全然意外な方面に疑いをかけようとする有力な一説があって曰く
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
臆説
(
おくせつ
)
をも初めから排する事なく、なるべくちがったものをことごとくひとまず取り入れて、すべての可能性を一つ一つ吟味しなければならない。
比較言語学における統計的研究法の可能性について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いずれにしても二人が死んだ後、お由殺しの事件の捜索は即刻打切られてしまったので、これ等はただ苦労性の人々の
臆説
(
おくせつ
)
にすぎないのである。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかるに物
換
(
かわ
)
り時移るに従ひ、この記念的俳句はその記念の意味を忘られて、かへつて芭蕉集中第一の佳句と誤解せらるるに至り、
終
(
つい
)
に
臆説
(
おくせつ
)
百出
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「狐狸の仕業であろう?」「いや黒鍬の者の
悪戯
(
わるさ
)
ではないか」などという取沙汰はまだしもの方で、そのうちに誰が言い出したことか、
紛々
(
ふんぷん
)
たる
臆説
(
おくせつ
)
を排して
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そしてクリストフが情熱に駆られて、おのれの思想の
埒外
(
らちがい
)
にまで飛び出し、とてつもない
臆説
(
おくせつ
)
を吐いて、相手を怒号させるようになると、彼は無上に面白がっていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
不幸にして強制徴兵案の様に自分の想像を事実の上で直接
確
(
たしか
)
めて
呉
(
く
)
れる程の鮮やかな現象が、
仏蘭西
(
フランス
)
ではまだ起つてゐないから、自分は自分の
臆説
(
おくせつ
)
をさう
手際
(
てぎは
)
よく実際に証明する
訳
(
わけ
)
に行かない。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
街の角々には
黒縁
(
くろぶち
)
取りたる
張紙
(
はりがみ
)
に、この
訃音
(
ふいん
)
を書きたるありて、その下には人の山をなしたり。新聞号外には、王の屍見出だしつるをりの模様に、さまざまの
臆説
(
おくせつ
)
附けて売るを、人々争ひて買ふ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
終日一室に
籠居
(
ろうきょ
)
してかつて人前に出でざりしかば、親しき親族門弟といえどもその相貌を
窺
(
うかが
)
い知り難く、
為
(
た
)
めに種々なる風聞
臆説
(
おくせつ
)
を生むに至りぬ
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さまざまの
臆説
(
おくせつ
)
が唱えられて居るようでありまして、中には、これは科学者に共通な悪運が廻って来たものだと申し、或る者は殺人魔の
跳梁
(
ちょうりょう
)
であると申し
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
などと
臆説
(
おくせつ
)
する声さえ一時あったが、秀吉はほとんど無頓着で、翌二十五日は、もう加賀へ向っていた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
故に儒者の道を学ばむと思はゞ、先づ文字を
精出
(
せいだ
)
して覚ゆるがよし。次に
九経
(
きゅうけい
)
をよく読むべし。漢儒の注解はみな
古
(
いにしえ
)
より伝受あり。自分の
臆説
(
おくせつ
)
をまじへず。故に伝来を守るが儒者第一の仕事なり。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
されば
物凄
(
ものすご
)
い相貌の変り方について種々
奇怪
(
きかい
)
なる噂が立ち
毛髪
(
もうはつ
)
が
剥落
(
はくらく
)
して左半分が
禿
(
は
)
げ頭になっていたと云うような風聞も根のない
臆説
(
おくせつ
)
とのみ
排
(
はい
)
し去る
訳
(
わけ
)
には行かない佐助はそれ以来失明したから見ずに済んだでもあろうけれども
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
“臆説”の意味
《名詞》
仮定や憶測による意見。
(出典:Wiktionary)
臆
常用漢字
中学
部首:⾁
17画
説
常用漢字
小4
部首:⾔
14画
“臆”で始まる語句
臆病
臆
臆面
臆測
臆病者
臆病風
臆劫
臆断
臆病心
臆斷