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背負
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しょい
ふりがな文庫
“
背負
(
しょい
)” の例文
その
巧妙
(
インジニアス
)
な暗号により、
只管
(
ひたすら
)
に読者の心を奪って他を顧みる
遑
(
いとま
)
をあらしめず、最後に至ってまんまと
背負
(
しょい
)
投を食わす所にある。
「二銭銅貨」を読む
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
ト
背負
(
しょい
)
いまして、片手に
薬缶
(
やかん
)
を提げたなりで、夕焼にお前様、影をのびのび長々と、曲った腰も、楽々小屋へ帰りますがの。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は
背負
(
しょい
)
ごのなかから雲斎織の上ッぱりを出した。風に揉まれてくるくる舞いながら、ながいことかかって襟をかき合せた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
背負
(
しょい
)
太刀、ダン袋、赤い飾毛をなびかせた官軍が五六人、木立を
捜
(
さぐ
)
り、藪を分けて
鶯谷
(
うぐいすだに
)
の方へ降りて行きます。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
で、元の
鞘
(
さや
)
に収った万年屋夫婦は、白と千草の風呂敷包を二人で
背負
(
しょい
)
分けてどこへか行ってしまった。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
▼ もっと見る
文久三年
亥歳
(
いどし
)
から明治元年まで五、六年の
間
(
あいだ
)
と云うものは、時の政府に対して
恰
(
あたか
)
も首の負債を
背負
(
しょい
)
ながら、他人に言われず家内にも語らず、自分で自分の身を
窘
(
くるし
)
めて居たのは
随分
(
ずいぶん
)
悪い心持でした。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「アアアア
今度
(
こんだ
)
こそは
厄介
(
やっかい
)
払いかと思ッたらまた
背負
(
しょい
)
込みか」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
勘兵衛殺しの下手人と
睨
(
にら
)
んで、一生懸命証拠の
蒐集
(
しゅうしゅう
)
に浮身をやつしている矢先、肝腎の又六が殺されてしまっては、平次は全く
背負
(
しょい
)
投げを喰わされたようなものです。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何かしていなければ、それはもう、
頽
(
くず
)
れるような眠さであった。彼は鋸屋の
背負
(
しょい
)
ごの底をさぐって見た。帳面らしい一包みがあった。その横には、手触りで
判
(
わか
)
る
飯籠
(
めしご
)
があった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
黙って、糸七が挨拶すると、
悄然
(
しょんぼり
)
と立った、が
屹
(
きっ
)
と胸を
緊
(
し
)
めた。その姿に似ず、ゆるく、色めかしく、柔かな、
背負
(
しょい
)
あげの
紗綾形絞
(
さやがたしぼ
)
りの
淡紅色
(
ときいろ
)
が、ものの打解けたようで
可懐
(
なつか
)
しい。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山猫を
日向
(
ひなた
)
へ出したような、露天の古道具屋をからかって、抜差しならずに、色付のガラスとも、ソロモン王の王冠のダイヤとも、見当の付かないものを
背負
(
しょい
)
こまされたのでしょう。
呪の金剛石
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
おくれ毛を、掛けたばかりで、櫛もきちんと
挿
(
ささ
)
っていましたが、
背負
(
しょい
)
上げの結び目が、まだなまなまと血のように片端
垂
(
さが
)
って、踏みしめて
裙
(
すそ
)
を
庇
(
かば
)
った上前の
片褄
(
かたづま
)
が、ずるずると地を
曳
(
ひ
)
いている。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“背負”で始まる語句
背負上
背負揚
背負子
背負籠
背負梯子
背負込
背負投
背負商
背負紐
背負引