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肝煎
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きもい
ふりがな文庫
“
肝煎
(
きもい
)” の例文
源太早くも大方察して
老婆
(
としより
)
の心の中さぞかしと気の毒さ
堪
(
たま
)
らず、よけいなことし
出
(
いだ
)
して我に
肝煎
(
きもい
)
らせし清吉のお先走りを
罵
(
ののし
)
り懲らして
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
始めはこの古い家柄を衷心から尊敬するスコッチの大蔵大臣の
肝煎
(
きもい
)
りで手堅い公債ばかり買い入れ、その利息で楽々生活費が支弁出来た。
バットクラス
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ここへ着いてはじめて不破の関守氏の
肝煎
(
きもい
)
りの結果なのだから、いずれのところからも、深夜に使者の立つ心当りはないのです。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これは私の親たちの
肝煎
(
きもい
)
りで私の師匠東雲師へ弟子入りをさせたのですから、私の
心
(
しん
)
からの弟子ではなく、
弟
(
おとと
)
弟子でありますが、不幸なことには
幕末維新懐古談:77 西町時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
おかみは独で
肝煎
(
きもい
)
って、家を
近在
(
きんざい
)
の人に、
立木
(
たちき
)
を隣字の大工に売り、抵当に入れた宅地を
取戻
(
とりもど
)
して隣の辰爺さんに売り
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
「そんなこと、いうもんじゃないわ。今夜は、その友田さんの
肝煎
(
きもい
)
りで、江崎満吉と、仲直りの式をしとるのに……」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「おめえにも
肝煎
(
きもい
)
るだな」と温厚な父親は云った、「そんな砂ぐれえ、一丈も積んだわけじゃあるめえし、なぜ
蹴
(
け
)
っぱらってへえっていかなかっただ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
肝煎
(
きもい
)
って受験準備を整えている上に、試験場でもあわてずに落ちついて知って居るだけを書いて出すが、田舎から出て来た者は、そういう点で二三割損をする。
電報
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
尚々
藏方
(
くらかた
)
目付替御座候處、何となく被
二
肝煎
(
きもい
)
一
候口氣、伊十院有
レ
之、誠に可
レ
笑事に御座候。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
御隠居と意見の合わないところから、
越前
(
えちぜん
)
公の
肝煎
(
きもい
)
りで、当時
一橋家
(
ひとつばしけ
)
を
嗣
(
つ
)
いでいる人である。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
安達君は可もなく不可もない成績で卒業したけれど、就職の考査に再三失敗した
揚句
(
あげく
)
、大谷さんが○○銀行に勤めている関係から、その
肝煎
(
きもい
)
りで○○信託へ入れて貰ったのである。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
主人側の
肝煎
(
きもい
)
り役が言葉叮嚀に二人の卓上演説を促すと、マアク・トヱンはやをら
起
(
た
)
ち上つて、持前の皮肉や諧謔やを取り交ぜて二十分ばかりしやべつた。演説はすばらしい出来だつた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
大村の
肝煎
(
きもい
)
りで朝鮮の幾人かの文人達と一席を設けたところ、その席上で三十分もせぬ中に彼が玄竜の中に朝鮮人全部を見てとったのは、さすがに鋭い芸術家の
烱眼
(
けいがん
)
だと讃嘆して附け加えた。
天馬
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
十九の年に、免許皆伝を許されると、彼はただちに報復の旅に上ったのである。もし、首尾よく本懐を達して帰れば、一家再興の
肝煎
(
きもい
)
りもしようという、親類一同の激励の言葉に送られながら。
恩讐の彼方に
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
旧幕時代の
万事
(
こと
)
を知るものが、その身分々々によって
肝煎
(
きもい
)
りをした。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「虎も
犀
(
さい
)
もばかやつらだし、あの
毛唐
(
けとう
)
もばかやつらだ、こんなに
肝煎
(
きもい
)
ったこたありゃしねえ、ええつまんねえ、出べえや、なあ、出ちまうべえよ先生」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
さてまた、いろいろの
肝煎
(
きもい
)
り、世話焼きをしてやっているうちにも、恩に着るものばかりはない。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
中国の名優の
梅蘭芳
(
メイランファン
)
が帝国劇場に出演しに来たとき、その
肝煎
(
きもい
)
りをした某富豪に向って、老妓は「費用はいくらかかっても
関
(
かま
)
いませんから、一度のおりをつくって欲しい」
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
街道付近の村々からは人足差配方の
肝煎
(
きもい
)
りが日々両三名ずつ
問屋場
(
といやば
)
へ詰め、お定めの人馬二十五人二十五匹以外の不足は全部雇い上げとし、賃銭はその月の十四日から六割増と聞こえているくらいだ。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
虎
(
とら
)
も
犀
(
さい
)
もばかやつらだし、あの
毛唐
(
けとう
)
もばかやつらだ、こんなに
肝煎
(
きもい
)
ったこたありゃしねえ、ええつまんねえ、出べえや、なあ、出ちまうべえよ先生」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
支那の名優の
梅蘭芳
(
メイランファン
)
が帝国劇場に出演しに来たとき、その
肝煎
(
きもい
)
りをした某富豪に向って、老妓は「費用はいくらかかっても
関
(
かま
)
いませんから、一度のおりをつくって欲しい」
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「まずかったな」倉なあこは云った、「あのぶっくれ舟を馴らすにゃあ
肝煎
(
きもい
)
るだよ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「まずかったな」倉なあこは云った、「あのぶっくれ舟を
馴
(
な
)
らすにゃあ
肝煎
(
きもい
)
るだよ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
肝煎
(
きもい
)
っちゃうな」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
肝
常用漢字
中学
部首:⾁
7画
煎
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
“肝煎”で始まる語句
肝煎役