老年らうねん)” の例文
ミハイル、アウエリヤヌヰチはもとんでゐた大地主おほぢぬし騎兵隊きへいたいぞくしてゐたものしかるに漸々だん/\身代しんだいつてしまつて、貧乏びんばふし、老年らうねんつてから、つひ郵便局いうびんきよくはひつたので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いかなる奇功きこうたてたるやはかりがたし、こと此地このちに一名園めいゑんくはへたるは私利しりのみなりといふべからず、さて菊塢きくう老年らうねんには学問も少しは心がけしと見え、狂歌きやうか俳句はいくのみ手づゝにはあらず
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
申さずとも五ヶ月限りのわけ有體ありていに申立よとあるに五兵衞は彌々いよ/\當惑たうわくなし此儀は何卒番頭久兵衞へ御尋ね願ひ奉つりたく私しは老年らうねんに及び候まゝ見世みせ質物しちもつ取引の儀は同人へ萬事任せ置候間一かうわきまへ申さず候と云ければ大岡殿久兵衞にむかはれ其方は五兵衞の見世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)