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縁類
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えんるゐ
蒙ふりける又
野尻宿の與惣次の實家は
縁類の者を以て養子となし其の身は傳吉方へ引取れ一生
安樂に
過しお專も其後子供幾多
設けければ傳吉が
取計ひにて實家森田やの
家名を
案内して下さいと
云ふと、「へい
畏りました」と
云つて
墓へ案内して
掃除してくれましたから、
墓の前に
向つて
私は
縁類でも
何でもないが、
先祖代々と
囘向をしながら、
只見ると
さて当日
新婚ありつる家に、
神使たるべき人は百姓の内
旧家門地の
輩神使を
務べき家定めあり、その中にて
服忌はさら也、
寡なる
者、家内に病人あるもの、
縁類に
不祥ありしもの
門番の
処で花を買つて十
銭散財して、お
墓を
掃除して下さい、
塩原多助の
墓は
此方でございませうか、
私は
塩原の
縁類の者でございますが、始めてまゐつたので
墓は知りませぬから
「お
頼み
申します」といふと、
小坊主が出て
取次ぎますから、「
私は
本所相生町二
丁目の
塩原多助の
縁類のものでございますが、まだ
塩原の
墓も知らず、
唯塩原のお
寺は
此方だといふことを
聞伝へて、 ...