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素通
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すどお
ふりがな文庫
“
素通
(
すどお
)” の例文
しかし私はその花をつけた生墻の前にあんまり長いこと立ちもとおっていないで、それに沿うて
素通
(
すどお
)
りして来るきりの方が多かった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
中村栗園先生の門を素通りその時の道中であったか、
江州
(
ごうしゅう
)
水口
(
みなくち
)
、
中村栗園
(
なかむらりつえん
)
先生の門前を
素通
(
すどお
)
りしましたが、
是
(
こ
)
れは
甚
(
はなは
)
だ気に済まぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
鞠子
(
まりこ
)
の
宿
(
しゅく
)
もさっさと
素通
(
すどお
)
りをして上へ上へとのぼって行くのでしたが、ちょうど、鞠子の宿の池田屋源八という休み茶屋の前を通りかかると
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
沢は
此方
(
こなた
)
の
側伝
(
かわづた
)
ひ、鍵屋の店を
謎
(
なぞ
)
を見る
心持
(
ここち
)
で
差覗
(
さしのぞ
)
きながら、一度
素通
(
すどお
)
りに、霧の中を、
翌日
(
あす
)
行く方へ
歩行
(
ある
)
いて見た。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
男
(
おとこ
)
は、よけいに
金
(
かね
)
を
持
(
も
)
つと、なんで
忍耐
(
にんたい
)
して、
居酒屋
(
いざかや
)
の
前
(
まえ
)
を
素通
(
すどお
)
りすることができましょう。やはり
我慢
(
がまん
)
がされずに、
店
(
みせ
)
へはいって、たらふく
飲
(
の
)
みました。
ある男と牛の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
まこと大名ならば
素通
(
すどお
)
り
罷
(
まか
)
りならぬものを、知らぬ顔をして挨拶も致さず通りぬけるは即ちもぐりの大名じゃッ。その方共は島津の太守の名を
騙
(
かた
)
る
東下
(
あずまくだ
)
りの
河原者
(
かわらもの
)
かッ
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
素通
(
すどお
)
し眼鏡をかけたイナセな村の
阿哥
(
あにい
)
が走る。「ありゃ好い男だな」と他村の者が評する。耳の届く限り洋々たる
歓声
(
かんせい
)
が
湧
(
わ
)
いて、理屈屋の石山さんも
今日
(
きょう
)
はビラを書き/\
莞爾〻〻
(
にこにこ
)
上機嫌で居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
廊下は、奥の方まで
素通
(
すどお
)
しで、猫一匹、そこにはいなかった。
第四次元の男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「わからずやを言うなよ、隊長の近藤君や、芹沢君はじめ、みんなこの島の
定連
(
じょうれん
)
なのじゃ、貴様、若いくせに、ここまで来て
素通
(
すどお
)
りという法があるか」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“素”で始まる語句
素人
素
素直
素性
素振
素気
素朴
素足
素姓
素破